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「じゃあ、私が自覚するより前に駿貴さんは私のこと好きでいてくれたってこと？」
「そう言うことになるね」
「なんか複雑な気持ち」
眉を顰めるAになんで、と聞けば、先に好きになってくれて嬉しい気持ちと、気付くのが遅くなって申し訳ない気持ちで複雑だと言った。
「そんなの、関係ないだろ。今こうして一緒にいるんだから」
そう言って手を握ると、そうだねと心底嬉しそうな顔をする彼女。あの頃と違いしっかりと握りかえされる手のひらに幸せを実感する。
「そうだ。あの後、コンビニで会ったの、覚えてる？」
「コンビニ …飲み物買ってもらった時か」
そう。あの時のことを話しておかなければならない。
その日は宣言通りジムに行き、いつも通り測定をしてもらう。
トレーニングを終え、彼女に挨拶しようとジム内を一周見渡したが、姿は見えなかった。きっと忙しいのだろう。ジムを後にし、早々に帰宅した。
帰宅してからしばらくは資料に目を通していたが、一部印刷し忘れていたことを思い出した。
特に急ぎのものでもないので明日以降でもいいのだが、時計を見るとちょうど彼女のバイトが終わるくらいの時間だった。
もしかしたら今行ったらばったり出くわすかもしれない。
立ち上がって窓からコンビニを見下し待っていると、駅の方面から歩いてくる彼女がコンビニに入って行くのが見えた。
資料…今のうちにプリントアウトしておけば楽だしな。
そう自分に言い訳しながら家を後にした。
「というわけなんだよ」
「つまり、偶然じゃなかったってこと？」
「そうね…」
「そうだったのか…あの日偶然会えたら運命かもなんて思ってたのに」
わかりやすく肩を落とすA。そんな偶然で運命かどうかを決められたらたまったものではないが、そんな風に考えていたなんて、可愛らしくもある。
と、同時にそれが偶然ではなく、つまり彼女が思う運命でもなかったことに罪悪感が込み上げる。
「なんか、ごめん」
「いや、あの日偶然を作ってくれたから、私は駿貴さんに告白できたわけだし」
少なからず後ろめたく感じてもいたのでその言葉が聞けて安堵した。
「それで？私が告白するまではどうだったの？」
愛しい彼女に促され、彼女にしばらく会えなかった時のことを思い出した。
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
