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1ヶ月ほど通うと、彼女の出勤する曜日がなんとなく読めてきた。
週に3回、平日は夕方から夜にかけて出勤しているようだった。
平日に１日は彼女の出勤日に合わせてジムに通うようになった。
彼女の姿を捉えると、なんとなく挨拶をして、計測をしてもらう。それがルーティーンとなった。
計測が終わるのを待つ1分間はいつも大体天気の話か、ニュースの話。味気ない会話をどうにか変えられないかと思っていた時に目にしたのがスタッフの自己紹介。
“趣味：アニメ”を見た時にこれだと思った。
「アニメ好きなんですか？」
そう声をかけると彼女のビジネススマイルが少し崩れたように見えた。
そこからはアニメの話をしたり、声優の話をしたり、その他大勢の客、ではない少し特別な1人、になれたのではないかと思っていた。
「そういえば、新しいマシンが入ったんですよ」
いつも通りの計測をしていると珍しく彼女が切り出した。
「そうなの？どんな」
「んっと、この辺を鍛えるやつです。」
これは、この計測時間以外に話すチャンスだと思った。
「へえ、あとで使い方教えてよ」
「いいですよ」
計測を終えてマシンの場所まで行くと実際に手本としてやって見せる彼女。女性とはいえさすがジムで働いているスタッフだ。綺麗なフォームで難なくこなす。
その使い方を見様見真似でやってみるが、いまいちどこに効いているのかわからない。
「これってどこに効いてると正解？」
「えっと、この辺なんですけど…」
彼女が俺の肩甲骨の辺りを触る。
ジムなのだからこういうことはきっとよくあることなのだろうが、嫌に意識してしまう。いつもより来ている服の生地が薄いので彼女の指を感じる。
「うーん、こうかな」
彼女に触れられているところを意識して何回か重りを引いてみるがなかなかピンとこない。
すると肘を引いた時に彼女の両手が肩に触れた。
「あ、この時に肩をもっと開くんです」
掴まれたままぐっと外側に開かれたことで背筋の筋肉が一気に収縮するのがわかった。
「あ、効いてる感じあるわ」
「本当ですか？」
「うんうん、いいわこれ。」
「さすが、飲み込み早いですね」
「でしょ、センスあるから」
俺の軽口に彼女はそれはどうかな、と笑った。
何度か繰り返し使っていると、では頑張ってくださいとだけ残し、彼女はすっと身を引いて戻って行った。
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
