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須貝さんのお家にお邪魔してから一週間。
一度だけジムで会って、いつも通り１分間だけ話をした。
いつもと違うのは時々須貝さんとラインしているということ。
1日に１件か２件のメッセージのやり取りだが、少しずつ距離が縮んでいるようで嬉しかった。
「じゃあ、気をつけて」
「またね〜」
友達と最寄駅で別れ、提出しなければいけない課題があったので駅ビルに入っているカフェに寄った。
二階にあるチェーンのコーヒー店に入り、適当に頼んだ飲み物を受け取って窓際の席に座る。
ガラスに向かって座ると駅の改札が見えた。
持ってきた新書とスマホの文書作成アプリを開いて本を読みはじめた。
一度始めれば集中して、課題を一通り終えるともうすぐ夕飯の時間だった。
本を閉じて窓の外を見ると、改札の前に見覚えのある男性が立っていた。
黒田さんだ。
認識した瞬間心臓が嫌な意味で跳ねた。
荷物をしまったはいいが立ち上がれない。
落ち着こうと思えば思うほど冷や汗が出てくる。
気付いてから15分ほど改札の方を見ているが、その男は一向に動こうとしない。
加えて、改札の方を見たり、こちら側を見たり、明らかに誰かを探しているようなそぶりを見せていた。
スマホを握りしめ、誰かに連絡しようとラインを開く。
先ほど別れた友人に連絡するか。
でも女友達を巻き込むのは最善の策とは言えない。
その時、一件のメッセージを受信した。
須貝さんだ。
”課題やってるの？偉いじゃん。頑張れ”
先ほど課題やってから帰る、と送信したメッセージへの返信だった。
”須貝さん、今どこにいますか”
いつもこの時間ぐらいに帰宅すると言っていたことがあったのを思い出して思い切って連絡する。
すがるような思いだった。
”今？帰ってる途中で電車の中だけど。なんかあった？”
須貝さんからの返信はすぐにきた。
いつものことながらなんてタイミングがいいんだ。
”これから帰ろうとしたら駅前に黒田さんがいて”
須貝さんのメッセージに落ち着いているはずなのに、自分の意に反して手が震える。
そこまで打ったところで親指が送信ボタンに触れた。
”あと10分で着くから、そこにいて。”
また彼に助けられる。申し訳ない気持ちもありつつ、安堵した。
あと10分。少しでも気をそらそうと適当にSNSをスクロールしたり、気になっていたコスメを調べたりして須貝さんを待った。
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
