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「Aちゃん、大丈夫？」
足音が聞こえなくなったところで須貝さんは体を離し、顔を覗き込んできた。
「はい…」
はい、と答えたものの体の震えが止まらず、足がガクガクして止まらない。
その様子を見かねたように須貝さんは私の体を上から包み込んだ。
「怖かったね。俺にこの場所を教えてくれてありがと。がんばったね」
その声はあまりに優しくて、反射的に涙が出た。
須貝さんはしばらくそうして私を抱きしめた後、大きな手をポンと私の頭にのせた。
「帰れる？」
「…今は、帰りたくないです…黒田さんにまた付けられてるかもしれないし…」
それに、1人になるのが怖かった。
誰か安心できる人としばらく一緒にいたかった。
チェーンのカフェでも、公園のベンチでも、どこでもいいからとにかくしばらく落ち着く時間が欲しかった。
「じゃあ、どっか入れる場所ってももうこんな時間だし。…俺の家くる？」
控えめに発せられた言葉を飲み込めず黙り込んでいると今度は焦ったように咳払いをする須貝さん。
「いや、ダメだよな。冷静に考えて。店は開いてたところで時間的にもう閉まるだろうし。でも外はずっといたら冷えるしな。うーん…」
この人は私が目の前にいることを忘れているのか。
怒涛の勢いで独り言を捲し立てる須貝さんに思わず笑みが溢れた。
「須貝さんのところにお邪魔してもいいですか」
きっと須貝さんは私のことなんとも思っていないだろうし。
頼れるお兄さんのお家に行くことには特に抵抗がなかった。
私の言葉にいいよ、と返事をした須貝さんと人気のない夜道を歩き始めた。
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
