月と花。 (ページ7)

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「姫様、大丈夫ですよ。
ナムジュン様はとても強いお方です。
僕はずっとお傍で見てきましたから。」

馬を走らせながら、
お兄様の従者であるジョングクが私に言う。

JK「ナムジュン様はずっと姫様のことを気にかけていらっしゃいました。
遠い国に視察に行っている間も、
執務の間も、ずっと。」

『でも…
本当に逃げてよかったのかしら…

お兄様はきっと私を逃がした疑いをかけられてしまう。』

JK「…ナムジュン様は何かお考えがあるようでした。」

『…え？』

JK「何か確信を持って、今回の行動を起こされたようです。」

『確信？』

JK「それは僕にも分かりません。

…だから、そんなふうに苦しそうなお顔をするのは
やめてください。」

『…ごめんなさい。』

JK「別に謝ってほしいわけじゃないんです。
ただ、
ナムジュン様がいつも姫様のお話をされるので…
聞いているうちにいつの間にか僕も、
まるで姫様が自分の妹のように思えてきて…
だから、そんな苦しそうなお顔をされると
僕も胸が苦しくなるんです。

ご無礼をお許しください。

…姫様が妹みたいだなんて。」

『ふふ。気にしないで。

むしろ、すごく嬉しい。

うん、
私もジョングクのようにお兄様のこと信じる。

だって、私のお兄様は強くて頭が良くて
すごい人だもの。』

これからどんなことが待ち受けているか分からない。

予想もできない。

でもなぜか怖くはなかった。

たぶんそれは1人じゃなくて、

心強い信頼出来る人が一緒だから。