月と花。 (ページ6)

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ｺﾝｺﾝ…

気持ち悪い空気をはらうかのように聞こえた
1つのノック音。

「ﾁｯ、なんだよ。」

空気をぶち壊されたのが嫌だったのか
苛立った様子のイ・ヒョンシク。

？「レイナ？失礼するよ。」

扉を開けて入ってきたのは、

『！お兄様！！』

NJ「レイナ、久しぶりだね。
元気だったか？」

「お兄様…？」

NJ「ああ、自己紹介が遅れて申し訳ございません。
私は、花の国の第1王子のキム・ナムジュンと申します。
あなたは、火の国の第1王子のイ・ヒョンシク様ですよね？」

「ああ。」

NJ「申し訳ありませんが、少し妹と話がしたいので、席を外していただけませんか？」

「…なんだよ。
雰囲気をぶち壊しやがって。」

ﾊﾞﾀﾝｯ！

イ・ヒョンシクは苛立ちながら部屋を出ていった。

￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣￣￣￣

『お兄様、少し相手を刺激しすぎではありませんか？
婚約に支障が出たらどうなさるおつもりですか…。』

NJ「…レイナ。」

『？どうされましたか？』

NJ「本当はこんな婚約なんてしたくないんだろう？」

『…っ』

NJ「お前のことだ。
国のためには仕方ないと、断っても無駄だと…
そう、思ったんだろ？」

『……』

NJ「俺はこんな婚約反対だ。」

『…え？』

NJ「お前には幸せになってもらいたい。
国のためにとかそんなもの関係ない。
大切な妹をあんなやつに渡したくなんかない。」

『お兄様…』

NJ「外に、僕の従者を待たせている。
その者と一緒にこの城から出るんだ。」

『でも、そんなことしたら…！』

NJ「大丈夫。
僕がなんとかする。」

『…お兄様を犠牲にするくらいだったら、
私は自分の意思なんていらない。
たとえ嫌な婚約でも、私はお父様に従う。』

NJ「レイナ。」

『…！！』

お兄様は苦しそうに顔を歪ませていた。

NJ「お願いだ…逃げてくれ。
お前はこんな所にいるべきじゃない。」