白（黒）人魚は二重人格！？ (ページ41)

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39話ページ41

僕は部屋に戻り、寝る準備を済ませ、布団に入った。

ぼーっとまた、昔のことを思い出したんだ。

僕は3人と共に過ごすようになってから、僕のいた群れがどうなったかなんて知らないし、両親も探しに来ることはなくて、改めて僕はずっと独りだったんだって思い知った。
その事実を受け止めきれず、フロイドくんたちに気付かれないように、涙を流した日もあった。

居ない方がいいんじゃないかって何度も思った。

でも、ある日アズールくんが僕に話してくれた。

｢僕だって、ジェイドとフロイドと出会う前は、ずっと独りでした。｣

そう、恥ずかしそうに言うアズールくん。
あなたと同じです。なんて言われて。

アズールくんは僕から見たら、凄いの一言で…
周りからも頼られるような存在に見えていた。
だけど、実際はそうじゃなくて。

アズールくんも、周りにみんな居るのに、独りだったんだ。
わけはどうであれ、僕と同じなんだって言ってくれたことが嬉しくて。

そして、独りの気持ちを知っている僕は、そっとアズールくんを抱きしめた。

よく頑張ったねって。出会ってくれてありがとうって。
なんか柄にもなく泣きながら言った気もする。

僕は3人より歳がひとつ下だから、丸1年会えなかった期間があったからこそ。
こうして、昔のことよく思い出すんだろうなって少し恥ずかしくなった。

でも……

この時間がもっと続けばいいのに。

そう思いながら僕はそっと目を閉じた。