37話 ページ39
「その難問を自分で乗り越えてこそでしょう……」
たしかに……水中呼吸の魔法使えば?と言いたいところだけど、そう簡単に使えるものでもないし。
特に監督生は、普通の人間だから。
でも、アズールくんが何も用意してないわけもなく。
「と言いたいところですが、ご安心ください。君たちには水の中で呼吸が可能になるこちらの魔法薬を差し上げます。海の魔女も、人間に恋した哀れな人魚姫に陸を歩ける足をつけてあげたそうですから。大切なのは慈悲の心……ですよ。フフフ。」
アズールくんの魔法薬。
味はともかく、効き目は抜群。
「さぁ、どうします?僕と取引し、契約書にサインしますか?僕もヒマではないんです。早く決めてください。さあ……さあ!」
監督生はもちろん契約することを望んだ。
アズールくんは、どこからか黄金の契約書を取り出し監督生の目の前に置く。
「いいでしょう!ではこの契約書にサインを。」
監督生はペンを走らせ、サインを施した。
「ふふふ……確かに頂戴しました。これで契約は完了です。3日後の日没までに、アトランティカ記念博物館から写真を奪い僕の元へ戻ってくることが出来れば、僕の下僕である225名のイソギンチャクたちの自由を約束しましょう。」
アズールくんのことだから、きっと一筋縄じゃないかないようにするのだと思う。
海の中なんて、僕達の庭なんだし。
「でも、もし奪ってこられなければ……オンボロ寮は僕のもの。そしてあなたもまとめて僕の下僕になってもらいます!」
アズールくんとの契約内容を一通り整理したところで、監督生は改めて契約の重さを知ったようだった。
「ジェイド、フロイド、お客様のお見送りを。Aはここの片づけをお願いします。3日後楽しみにしていますよ。」
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作者名:雨鯱 | 作成日時:2020年8月29日 21時