大事 ページ20
ここに閉じ込められてから
何時間が経っただろう。
腕時計を見ると、午後10時。
8、9時間はここにいる。
扉の鍵は内側からは開けられない。
窓もない。
誰も通りかからない。
天井に換気口を見つけて、脚立を使って
中に入れるか試して見たが
身体より小さくて入れなかった。
アニメの見すぎだね…。
子供しか入れないよこんなところ。
LIVEもとっくに終わってる。
今日私何もしてないじゃん。
今のこの状況の方が
仕事残業してた時より何倍も辛い。
例え見つけられたとしても、
どんな顔して彼らに合えばいいのか。
マネージャー失格だよ、こんなん。
自分の不甲斐なさに悔しくて
涙が出てきた。
『……っ。』
久しぶりに泣いた。
そのせいか、今まで溜めていた分も
吐き出すように泣いていた。
『ごめ……ん…なさ……っ』
ｶﾞﾁｬ!!
「A……！！！！！」
勢いよく開かれた扉と私を呼ぶ声。
「ほんと困ったお姫様だな…。」
優しく私のことを抱きしめた。
『さくちゃあぁっ……！！』
「よしよし、いるよ。怖かったね。」
私に寄り添うように頭も撫でてくれるさくちゃん。
「めっっっちゃ心配した。無事で良かった。」
私の存在を確かめるようにぎゅっと抱きしめた。
『う…ん…。』
私もさくちゃんを強く抱きしめる。
涙も落ち着いてきて、私は離れようとしたが
「ダメ。もう少し。」
さくちゃんに止められる。
「皆には悪いけど、
もう少しだけAを独り占めさせて…。」
独り占めしたいという言葉に
胸がドキッとした。
「俺さ、小さい頃からずっと」
私も馬鹿では無いから、
さくちゃんが何を言おうとしているのかは
分かっていた。
でも、これ以上は聞いてはいけない気がした。
『抱き合うの好きだったもんね！！
こうやってぎゅーって！いつもやってたよね！』
「おい……。」
『あれ？違う…？』
「そうだけど…。」
不服そうなさくちゃん。
ｶﾞﾁｬ
「A先輩…！無事で良かったぁ。
……佐久間くん見つけてたんだね。」
「目黒……。」
今度は蓮くんが倉庫の扉を開けた。
LIVEの後なのに、探してくれてたんだ……。
「先輩立てます……？」
私とさくちゃんの間に入るように、
蓮くんは手を差し伸べてきた。
振り払うわけにもいかないその手を
私は握って、立ち上がった。
『あっ……！』
ずっと座っていたからか
私は足の痺れでバランスを崩し、
蓮くんの方へ倒れてしまった。
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しらす(プロフ) - ゆいちさん» ゆいち様はじめまして！こちらの作品を見つけてくださりありがとうございます！続編早々、渡辺担が盛り上がる内容を詰め込んだのでキュンキュンしていただけて嬉しいです(´˘`＊)これからも更新頑張ります💪 (10月3日 0時) (
レス) id: 16a1d7075e (このIDを非表示/違反報告)
ゆいち(プロフ) - 一昨日、こちらの小説を見つけて面白くて一気に読んでしまいました(ᐡ⸝⸝- -⸝⸝ᐡ)しょっぴー推しですがキュンキュンします🥰更新楽しみにしています！ (10月2日 21時) (レス) id: 4339772558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらす | 作成日時：2023年10月1日 3時
