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「ダメ」
キヨの腕を掴んで無理矢理下ろさせる。
「今までキヨは人を守るためにしか喧嘩しなかったよね。周りに勘違いされても、それだけは曲げなかった」
「‥何が言いたいんだよ」
「そんなヒーロー気取りはもういらないの」
ごめんキヨ。そんな事思ってない、貴方はいつでも私のヒーローだった。
「私の過去はもう消せないし、皆に黙ってたことも申し訳ないと思ってる。ここは居心地が良くて‥甘えすぎてた」
「‥沖田」
キヨが呟く。
「やめてよ...今更名前を呼ばないで」
「俺はお前に「沖田まだあ？いつまで話してんの？」」
永倉が手招きしている。
「ごめん、もう行かなきゃ。‥さよなら」
棒立ちのキヨを避けて永倉の元へ向かう。最後の最後まで、こんな時でさえお別れを言うのは私の方。
「そんじゃあ、“うちの”沖田がお世話になりましたー」
永倉に背中を押されて廊下に出される。ひんやりとした空気が熱を持った身体を包む。
せめて最後に少しだけでも、そう思って振り返って見えた皆の表情は
「なんで泣きそうなの‥？」
私の呟きは永倉が閉めたドアに遮られて、もう二度と彼らには届かないだろう。
のろのろと歩き出した私を永倉が覗き込んできた。
「これで沖田はもうここにいられないわけだ。もう帰る所ないなあ？」
「...帰る所はなくても、行く所はあるから」
「どういうこと？」
「あんたに言うわけない。もう2度と関わらないで」
「それは無理。俺らずっと一緒だったじゃん？突然いなくなってびっくりしたんだよね」
「私言ったよね？もうやめるって、もう仲間じゃないって」
「俺のために一生残る傷をつけてそりゃあないよ、沖田。誰もお嫁にもらってくれないよ」
「あんたのためなんかじゃ...」
すると顎を掴まれ、無理矢理永倉の方を向かされた。
「俺のためじゃない？じゃあその傷は誰のためで誰が責任取んの？」
知ってる。永倉はそういう人間だ。自分のせいで私に傷ができた、だからその責任は自分が取る、そう信じている。いくら気にしなくて良いと言ったって聞く耳を持たない。
実際に永倉は、私に傷をつけた相手を半殺しにして、自分こそ血塗れだったのに私を病院まで運んでくれた。
嫌な奴ではないんだ。ただ生きるのが、相手を大事にするのが、苦手なだけ。それを知っていながら私は逃げた。
「永倉、今までありがとう。縛りつけてごめん。でももう、終わりにしよう」
続く (更新停止中)
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蒼乃(プロフ) - すずさん» すずさん。大変遅くなり、申し訳ありません。温かいお言葉に感謝しかありません。ありがとうございます。再び少しずつですが進めていこうと思っております。すずさんがもしまだ待っていてくださるようでしたら、よろしくお願い申し上げます。 (2020年4月2日 2時) (
レス) id: 386e426ab5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 粉ミルクさん» お待たせして申し訳ありません。少しずつ進めていきます。よろしくお願い致します。 (2020年4月2日 2時) (レス) id: 386e426ab5 (このIDを非表示/違反報告)
すず - あけましておめでとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))今年も蒼乃さんの作品を楽しみに頑張っていきたいと思います。いつまででも待ってますので、蒼乃さんの生活を1番に、頑張ってください！ (2019年1月5日 17時) (レス) id: 83e4d62dc4 (このIDを非表示/違反報告)
粉ミルク(プロフ) - もう更新されないのですか、？ (2018年11月30日 23時) (レス) id: 5f970e9169 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 更新ありがとうございます(*´ω`*)いつもながら描写がわかり易いので、自然に映像が脳内再生されます。とても楽しい...！今までもこれからもファンです！楽しみに待ってます。 (2018年6月24日 17時) (レス) id: 0ccf87f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼乃 | 作成日時：2017年7月12日 3時
