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あと少しだったのに。もうあと少しで何もなく平和にこの生活は終わる予定だったのに。
「おい」
キヨに腕を掴まれる。
「本当なのか？」
そう問いかけられた言葉に私は頷くしかなかった。
「じゃあ文化祭の時に喧嘩したっていうのももしかして」
「…私だよ」
麻里は目を丸くした。
「な、なんで黙ってたの？」
「言ったらどうしてた？今まで通りに接せられる？過去の事とは言え、族長だった女と仲良くできる？」
麻里に向かって手を伸ばす。すると彼女の身体はびくりと震え、半歩後ずさった。
「あっ…ちが、今のは」
「…いいんだよ、それで」
それが普通だし今までだってそうだった。だから慣れてる。
それなのに何故か胸が苦しくて痛くて訳がわからなかった。
「今までごめんなさい。それと、ここにいさせてくれてありがとう」
何とか声を振り絞った。できる限りその場にいたクラス全員に届くように。もう帰ってくることはできないこの場所に。
教室のドアに向かおうと歩き出すと、さっと人が退いて道ができた。ああ、久しぶりだなあ、この光景。
「おい、勝手に話進めんな」
聞き慣れた声がして腕を掴まれる。
「どこ行くんだよ」
「ごめん」
「何だよ、何で謝んだよ。過去は過去、今は今だろ」
「純粋だなあ、キヨは。でもそんな上手くいかないんだよ」
スカートのポケットから取り出した物をキヨに押し付ける。
「秘密を先に知っちゃった場合はゲーム不成立だよね。…返すわ、これ」
手を離した瞬間に落ちる銀色の鍵。
「…勝手に決めんな」
キヨは私の腕を離さない。
「なーに？沖田忠犬できたの？副長の俺だけで十分じゃん」
「お前ごちゃごちゃうるせえんだよ。こいつと俺の問題だ、部外者は失せろ」
キヨが睨み付けると永倉は面白そうに目を細めた。
「君、キヨ？だっけ？じゃあ何か2人だけの印でも持ってるの？」
「あ？」
「俺は持ってるよ。知りたい？」
あいつは怪訝そうな顔をするキヨを煽るように笑った。
「沖田の胸元には昔俺を庇ってナイフで切りつけられた傷があるんだよ」
「…は？」
「もういい永倉」
「うるせえお前は黙ってろ。おい、てめえ」
キヨが永倉な胸ぐらを掴む。
「自分の代わりに女に傷を負わせただと？ふざけんな」
「その通りだよ。っていうか何で君が怒るの？」
「クソ野郎。ぶっ殺すぞ」
そう怒鳴ったキヨが拳を振り上げた。
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蒼乃(プロフ) - すずさん» すずさん。大変遅くなり、申し訳ありません。温かいお言葉に感謝しかありません。ありがとうございます。再び少しずつですが進めていこうと思っております。すずさんがもしまだ待っていてくださるようでしたら、よろしくお願い申し上げます。 (2020年4月2日 2時) (
レス) id: 386e426ab5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 粉ミルクさん» お待たせして申し訳ありません。少しずつ進めていきます。よろしくお願い致します。 (2020年4月2日 2時) (レス) id: 386e426ab5 (このIDを非表示/違反報告)
すず - あけましておめでとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))今年も蒼乃さんの作品を楽しみに頑張っていきたいと思います。いつまででも待ってますので、蒼乃さんの生活を1番に、頑張ってください！ (2019年1月5日 17時) (レス) id: 83e4d62dc4 (このIDを非表示/違反報告)
粉ミルク(プロフ) - もう更新されないのですか、？ (2018年11月30日 23時) (レス) id: 5f970e9169 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 更新ありがとうございます(*´ω`*)いつもながら描写がわかり易いので、自然に映像が脳内再生されます。とても楽しい...！今までもこれからもファンです！楽しみに待ってます。 (2018年6月24日 17時) (レス) id: 0ccf87f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼乃 | 作成日時：2017年7月12日 3時
