【zm】命乞いしたらペットにされた (ページ1)

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｢ありがとうざいましたぁ｣

日曜日にも関わらず多忙な母は仕事で居ない為、昼食を適当に選んでぽいぽいカゴに放り込み会計を済ませ、ダルそうなコンビニバイトの声を聞きながら店を出る。近所とはいえ家まで3分は歩かなくてはならない。

ぶらぶらと帰路に着きながら今日の夕飯何かな、と昼食もまだだと言うのに考える。コンビニ飯も美味しくて好きだが、母の料理にはコンビニ飯には無い、暖かな愛情が感じられて大好きなのだ。

横断歩道を渡ろうと、電柱に取り付けられたボタンをグッと押す。信号が青に変わり、さて渡ろうかと足を踏み出した、その時だった。

本来赤信号で停止するはずの大型トラックが、信号を無視して突っ込んできた。

＿あっやばい、避けられない。

咄嗟の出来事に驚き足が縺れ、顔面から勢いよく転んだ。トラックはスピードを緩めることなく目前に迫ってきている。

こんなことならもっとJK生活楽しんでたら良かったな。それにここで死んでしまったら必死になって勉強していたのが馬鹿みたいじゃないか。折角行きたかった大学に受かったというのに。

トラックは路上に転がっていた私の体を突き飛ばし、轢いた勢いもそのままに走り去って行った。

その直後にガシャンとトラックが何かに衝突して機体の歪む音が聞こえた。

上手く呼吸ができなくて、ヒューヒュー細く息を漏らす。涙が滲んで、止まらないそれは大きな粒となって瞼から零れ落ちた。骨が折れたのだろうか。拭いたくても肝心の腕が痛くて動かせない。

あぁ、もっと生きていたかった。ただ平凡な毎日を遅れたらそれで良かったのに。

死がすぐそこまで迫ってきているのを感じる。知らないおばさんが私の体を揺すりながら何かを訴えているが、耳もよく聞こえない。

恐らく私はもう間もなく死ぬだろう。信じたくないし根拠もないが、そんな気がした。

どうせなら私を殺した運転手が、私よりもっと酷い死に方をしてしまえばいい。

ふと浮かび上がってきた怨嗟の言葉。我ながら恐ろしいことを考えるものだ。そんなことをしたところで助かることは無いというのに。

明日も学校に行って、友達と馬鹿みたいにくだらないことで笑いあって。そんな、私の当たり前だった日常は、いとも容易く壊されてしまったのだ。死とかいう考えうる限り最悪の方法で。

来世では幸せな死を迎えたい＿。

その願いを最後に私の生涯は幕を閉じた。