159話 「再会」 ページ9
Aは両親に連れられて、とあるカフェにやってきた。
静かな雰囲気で少しレトロなお店。
母「A、何飲む？」
A「……これで」
母「すみませ〜ん」
緊張する中、顔合わせだ。
あの日以来、両親とはちゃんと話せていない。お互い距離ができてしまった。
「お待たせしました」
母「こんにちは」
父「こんにちは」
A「……こんにちは」
春斗「お姉ちゃん……？」
春斗の顔を見るのは久しぶりだ。
Aは春斗を見て微笑むと、初めて見る彼の両親を見た。
向こうもこちらを見ていて。
A「……」
「……」
父「さぁどうぞ、こちらにお掛けになってください」
父のその一言で向こうの両親もAたちと向かい合うように座る。
春斗はその緊張感にどうしたものかと考えていると、Aはコインを取り出した。
A「春斗くん」
春斗「な、なに？」
A「コインが表か裏か当てるゲームをしよっか」
春斗「え？」
A「ここが表で、ここが裏。行くよ」
唐突のゲームに大人たちは驚いたが、Aはコインを弾き手の甲でキャッチした。
Aは気づいていたことがある。
A「どっち？」
春斗は恐らく目がいい。
マッハで生徒たちを駆け抜けた時、春斗は確かに言った。
黄色いタコ、と。
Aたちは気配でわかっていたが、彼はそれを見ているわけじゃない。にも関わらず、当てた。
ということは。
A「先にご両親に答えてもらおっか」
唐突に当てられた春斗の両親は驚きながら答える。
「表」
「裏……」
A「春斗くんは？」
春斗「お姉ちゃん」
A「ん？」
春斗「俺が当てたら、ご褒美くれる？」
A「何がいい？」
春斗「…………」
春斗は自分の両親を見た。
そしてAに目を向けると口を開く。
春斗「春樹って人の墓に行きたい。俺の、弟の墓に」
その一言でA以外が目を見開き、Aは笑った。
笑って頷いた。
A「もちろん、連れて行ってあげるよ」
春斗は答える。
春斗「コイン、無いよね」
と。
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お - えまって？！最高すぎません？！この物語は主人公である夢主ちゃんが書いた本当のお話…ってコト？！ (12月19日 1時) (
レス) @page50 id: 0af6726044 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 暗殺教室に再熱し、勢いで2日で読みきってしまいました。あたたかい、素敵な物語をありがとうございました。少しでもこの物語が多くの人の心に届きますように。 (12月2日 19時) (レス) id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
霞 - 思って今よりもずっとこの作品に引き込まれました。主人公の過去はかなり辛くて後半は大半泣いてしまいました。業くんとの関係性もとても良かったです。原作に沿うように書くのは大変だったかと思いますが、本当にとても良い作品でした！本屋で売れるぐらい良かったです (2023年1月17日 21時) (レス) @page50 id: a9816fab8f (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - この作品に出会えて本当に良かったです。主人公の過去は想像以上に辛いもので涙なしでは読めませんでした。そして業との関係がとても好きです。2人が、いや4人が末長く幸せに生きていけるように願います。本当にありがとうございました！ (2023年1月13日 1時) (レス) id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 本当凄い。無料で見るのが勿体無いくらいすごい。一冊の本を見てる気分でした！！！素敵な作品を作ってくださりありがとうございます (2023年1月8日 22時) (レス) @page50 id: 963d301a2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩こんぶ | 作成日時：2022年12月17日 12時
