【暗殺教室】目立たない彼女・四時間目

196話　「三日月」 ページ46

全員、椚ヶ丘中学校の本校舎に集められた。

そしてそこで生徒たちに300億支払われたので、それは殺せんせーのアドバイスブックを参考にして、用途を考えた。


結果、学費と一人暮らしの頭金だけを頂き、わかばパークを初めとするお世話になった施設に寄付して、みんなで大きな買い物をして、それから残りは国に返還した。


だが、今年でE組制度は無くなり、これからは旧校舎は使われることは無い。

そしてこのE組制度も問題視された結果、理事長である學峯は学校の経営権を手放さざる負えなかった。

が、それすら彼は織り込み済みなのだろう。


E組生徒の象徴だった三日月は徐々に崩れていき元の球形に戻っていくらしい。

少し寂しい気もするがきっとそれがいいのだろう。

業とAはジャングルジムの一番上に並んで崩れ出した月を見上げる。


業「もう、話すのは大丈夫なの？」

A「……初対面とはまだ無理かなぁ」


前よりも話せるようになったA。

業とも長く会話するのは苦手だったAが、殺せんせーのあの圧に押されて話せるようになった。


A「最近は春斗もこっちで過ごすようになったんだよ」

業「そっか。いい事じゃん」

A「うん」


小学の頃は、春樹に会いたいと毎晩涙を流していたA。

いつの日からか、涙を流さなくなったが、それを引きずっていたのを業は知っている。

業も、Aも、一度死にかけて、殺せんせーに救われた者同士。

似なくてもいいところまで同じだった二人。

だが、あるきっかけで春斗という弟の存在を知り、Aは前向きになった。

その事がどれだけ嬉しいか、Aは知っているだろうか。


業(殺せんせーが、俺らをあの地獄から救ってくれた。
正直、Aをこんな目に合わせたあの人たちは憎いけど、けど、今のAとの時間を大事にするよ)


業は心の中でそう願った。

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