【暗殺教室】目立たない彼女・四時間目

195話　「手紙」 ページ45

―――直接、二人に伝えたかったですが手紙から失礼します。


まずは、二人ともおめでとうございます。

カルマくんも、五十山田さんも、はじめは自分の命と引き換えに、先生を殺そうとしてました。
やはり同じ時間を過ごした分、二人は繋がっていたのでしょうね。
でも、その部分は先生が手入れしたのでもう心配ありません。

話を戻しますが、先生は二人のことに気づいていました。
ですが、五十山田さんの性格を考えると、知られたくないでしょうからこっそり二人の小説を書いてます。抜かりないですよ〜！

カルマくん、五十山田さんはとても強く、そして弱い。
君は誰よりもその事を知っている。だから先生から一言だけ。
そばにいてあげて下さい。いつまでも。
きっと君だけが、彼女の本音を聞くことができる。
彼女の秘密事は、いつものように、彼女が話せる日まで待ってあげること。
五十山田さんをお願いしますね。

五十山田さん、カルマくんは正面を見て走り抜けるでしょう。
しかし、人間です。時には立ち止まりたくなる日も来る。
そんな時、優しく受け止めてあげてください。
君になら彼も、愚痴や弱音を吐けるでしょう。
誰よりもプライドが高く、自分を持っている。その分、誰にも見せられない姿もある。
ですが、五十山田さんにだけは見せられる。だからこそ、君だけは彼を受け止めてあげてください。


語ってしまえば長くなりますので、これで最後です。


末永く、お幸せに。

誰よりも、二人と皆さんの幸せを願っています。


殺せんせーより。




──────────

手紙を仕舞ったAは、涙を堪える。

業はそんなAの肩を抱き寄せる。


A「……っ」

業「殺せんせーが願ってくれた。
この幸せを無駄にしないように、頑張ろう、A」

A「うん」


Aは幸せそうに笑って業に抱きついた。

そんなAに業は目を見開くが、業もAを抱きしめて微笑む。


業(ありがとう、殺せんせー)


互いの涙を感じながら。

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