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180話 「二代目死神」 ページ30

攻撃された方に全員が目を向けると、そこから二人組が出てきた。


柳沢「ハッピーバースデー」

殺せんせー「柳沢!」


相変わらずの白装束の柳沢と、前にも見た正体不明の人物。

前以上におぞましい音に、Aは耳を塞いだ。


柳沢「日は熟した。世界一残酷な死をプレゼントしよう」

「先生、僕が誰だかわかるよね」


チャックを開けたかと思うと、顔はわからないがそれでも声は聞き覚えがある。

二代目死神。


A「消息不明って聞いたけど、あんたが連れ出してたの」

柳沢「改めて生徒たちにも紹介しようか。
彼がそのタコから死神の名を奪った男だ」


紹介されながら、男が歩いてくる。

そして、と柳沢が紹介を続けた時。

目の前には触手まみれで、人間であることをやめた化け物が立ちはだかる。


柳沢「今日からは彼が新しい殺せんせーだ」


二代目死神だった化け物は唸り声をあげる。

まるで今にも、殺せんせーを殺せる喜びを表すように。



化け物は校舎の屋根に立った。

その瞬間、校舎側に立っていた渚や業、Aは後ずさる。


吉田「こ、こいつが、あの!」

渚「僕らを襲った二代目死神……!」

村松「前は顔だけだったのに、全身が化け物になってんじゃねぇか!」


生徒たちが緊張感に包まれている時。

柳沢はご丁寧に話してくれた。


柳沢「そのタコと同じ改造を施しただけさ。
違う点は彼が自ら強く望んでこの改造を受けたことだ。
不出来な糸成、妹、人殺しとは訳が違う」

「「……」」

柳沢「想像できるだろうか?
人間の時ですら一人で君たちを圧倒した男が、悲涙無き触手と憎悪を得た。その破壊力を」

死神「死ねぇ!!」

「「っ!!」」


二代目死神がこちら側に攻撃すると、ソニックブームで生徒たちが吹き飛ばされた。


柳沢「ソニックブームさ。
彼の触手は初速からマッハ2を出す。最高瞬間速度はマッハ40」

岡島「ま、マッハ40!?」

柳沢「要するに基本性能が倍ということ。
二代目の超人的な動体視力と直観力は触手によって増幅され、超音速の世界にも容易く順応した。
素人の子供と違って、あっという間に触手に慣れた。そこに居る初代がそうであったように」


ひしひしと伝わってくる。

柳沢の怨念が。

Aは柳沢と目が合った。だが彼は特にものを言うことも無く、再び戦場に目を向けた。

181話 「全力」→←179話 「お祝い」



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- えまって?!最高すぎません?!この物語は主人公である夢主ちゃんが書いた本当のお話…ってコト?! (12月19日 1時) (レス) @page50 id: 0af6726044 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 暗殺教室に再熱し、勢いで2日で読みきってしまいました。あたたかい、素敵な物語をありがとうございました。少しでもこの物語が多くの人の心に届きますように。 (12月2日 19時) (レス) id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
- 思って今よりもずっとこの作品に引き込まれました。主人公の過去はかなり辛くて後半は大半泣いてしまいました。業くんとの関係性もとても良かったです。原作に沿うように書くのは大変だったかと思いますが、本当にとても良い作品でした!本屋で売れるぐらい良かったです (2023年1月17日 21時) (レス) @page50 id: a9816fab8f (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - この作品に出会えて本当に良かったです。主人公の過去は想像以上に辛いもので涙なしでは読めませんでした。そして業との関係がとても好きです。2人が、いや4人が末長く幸せに生きていけるように願います。本当にありがとうございました! (2023年1月13日 1時) (レス) id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 本当凄い。無料で見るのが勿体無いくらいすごい。一冊の本を見てる気分でした!!!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます (2023年1月8日 22時) (レス) @page50 id: 963d301a2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2022年12月17日 12時

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