175話 「一週間」 ページ25
それから一週間、男子たちは山側を、女子たちは街側を偵察することになった。
Aは自室で街中のあらゆる監視・防犯カメラをハッキング。
それらを律と繋げる。
一週間の間に生徒たちはできることをした。
寺坂組は糸成を中心にドローンの調整。
機動隊は山の詮索、
女子たちは街の詮索。
律から送られてきたマップとルートを頭に叩き込む。
そんな時、今まで既読しか付けなかった業がメッセージを送った。
業『磯貝』
業『もし山の中まで入れたら…』
業『そっからは俺に仕切らせて』
業は真剣な表情でスマホの画面を見ていた。
業『頼む』
磯貝『ああ、任せた(^ ^)v』
チャット画面を閉じたAは超体操服に着替えて、鏡を見た。
そしてリビングに向かう。
A「お父さん、お母さん」
母「A、その格好……」
父「行くのか、あの超生物のところに」
A「はい」
父「……A」
A「行ってきます」
Aは玄関とは反対側のリビングの窓から外に出た。
外に出たかと思うと、ブロック塀に飛び乗って、隣の屋根に飛び移る。
その背中を見た母は涙を流し、たった一人の娘の無事を願った。
母「大きくなったね、A。
よかったね、A。
A、どうか無事で……」
これから起こる残酷な現実。
それがわからないほど馬鹿じゃない。
泣きじゃくる母を、父は険しい顔で慰めてリビングの窓を見つめた。
父(A、カルマ…………。
帰ってこいよ、待ってるから)
──────────
渚が屋根を超えている時、ふと隣を見ると業とAが揃っていた。
二人とも渚を見て微笑んでくれる。
後ろからは他にも生徒たちがやって来て、山までの道を業を中心に走る。
山に入ってすぐ、磯貝はみんなに言い聞かせる。
磯貝「最後のミッションは、全員無事で登校すること!!」
―――会いたい。
―――会わなきゃ、何も終わらない。
―――殺せんせー暗殺期限まで、あと三時間。
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お - えまって?!最高すぎません?!この物語は主人公である夢主ちゃんが書いた本当のお話…ってコト?! (12月19日 1時) (レス) @page50 id: 0af6726044 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - 暗殺教室に再熱し、勢いで2日で読みきってしまいました。あたたかい、素敵な物語をありがとうございました。少しでもこの物語が多くの人の心に届きますように。 (12月2日 19時) (レス) id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
霞 - 思って今よりもずっとこの作品に引き込まれました。主人公の過去はかなり辛くて後半は大半泣いてしまいました。業くんとの関係性もとても良かったです。原作に沿うように書くのは大変だったかと思いますが、本当にとても良い作品でした!本屋で売れるぐらい良かったです (2023年1月17日 21時) (レス) @page50 id: a9816fab8f (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - この作品に出会えて本当に良かったです。主人公の過去は想像以上に辛いもので涙なしでは読めませんでした。そして業との関係がとても好きです。2人が、いや4人が末長く幸せに生きていけるように願います。本当にありがとうございました! (2023年1月13日 1時) (レス) id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 本当凄い。無料で見るのが勿体無いくらいすごい。一冊の本を見てる気分でした!!!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます (2023年1月8日 22時) (レス) @page50 id: 963d301a2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2022年12月17日 12時