【暗殺教室】目立たない彼女・四時間目

170話　「アルバム(2)」 ページ20

何を思ったのか生徒たちは必死に自分の恥ずかしい写真を探して処分しようとしている。

後ろの席にいる後から来た組は冷静に見届けているが。


薬品を爆発させた奥田と焦げた殺せんせー。

見間違えるような表情で土を掘ってる磯貝と何かを食べてる殺せんせー。

悪徳ゲーマーを成敗した神崎と観客の殺せんせー。

蚊取り線香と麦わら帽子で、海賊王を目指している海賊になりきっている不破と、殺せんせー。

竹林オススメのメイド喫茶に嫌そうな吉田を無理矢理誘う寺坂とメイドのコスプレをした殺せんせー。

業、中村にスカートを履かされた挙句剥かれている渚と殺せんせー。


の写真を6人は破り捨てる。


((こんなところまで撮られていたとは……))


プライベートだけでは飽き足らず、今度は学校行事の中から選ぶ。


分身で疲れながら指導する殺せんせー。

夏祭りを楽しんでる片岡、神崎、倉橋、矢田。

営業・接客を頑張っている茅野、速水。


渚(本当に、二度と無い特殊な一年を過ごしたんだなぁ)


Aは業と糸成に引っ張られて教壇にある写真を見ていくと、ふと一枚の写真に目が行き、それを取った。


A(これ……、体育祭の時の)


業の笑顔に安心したAが泣き出した時、棒倒しを終えた業がAを抱きしめている写真だった。


A(カルマ、何も変わってない……)


ただ静かに訳もわからず泣きじゃくるAを、業は優しい表情で宥めてくれていた。

ただ黙って抱きしめてくれていた。


A(殺しかけたってのに、カルマは……)


Aが微笑んでいると、業が横から覗いた。

その写真が懐かしく感じる。


業「あったねコレ、結局なにで泣いたのかわかってないけど」

A「一言で終わらすならカルマ」

業「俺この時泣かせないと思うんだよね」

A「誰も物理つってないじゃん」


業とAが笑いあっている。

その瞬間もさり気なく殺せんせーは撮った。


だがしかし、まだまだ写真は足りない。

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