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壱馬「なんやこれ」
Aが倒れてから3日。
グループメッセージにて送られてきたAのスケジュールが
驚くくらいに真っ白になってた。
それだけじゃなくて、
グループからもAが抜けてて、アカウントごと消えてる。
AのプライベートのSNSもアカウントが消えてて、
電話番号にかけるとお繋できませんってアナウンスが。
壱馬「アイツ何考えて……」
マネージャーからは、一応休暇ってことにして、
Aの活動に関して公表するつもりは無いって言ってた。
Aが突発性難聴になったことは、
メンバーは全員知ってる。
知ってるから余計に心配で。
そう思ってると、滅多に更新しないAのブログが動いて、
翔平がエゴサするとやっぱりSNSでも話題になった。
【がんばったよ、がんばったね、おつかれさま】
たった20文字の言葉に
Aがどんな思いを込めたのか俺らは知ることはできない。
俺らには分からない世界だから。
でも、Aが苦しんでるのは分かってる。
だから絶対助けるんだって、
俺らは誓った。
『おはようございます』
「「おはよ〜」」
久しぶりにAが生配信のために合流。
ただその顔は完全にやつれきってて。
回復してないのが分かる。
どうにかそれをメイクで誤魔化して、
俺らはセットの中に入った。
椅子が17個用意されてて、そこに腰を下ろす俺ら。
壱馬「皆さんどうも!」
「『THE RAMPAGEです!』」
壱馬「えー今日は久しぶりにね、メンバー全員揃って、
配信も進めていきたいと思います!」
「「いぇーい!」」
こんな感じで進めていっても、
Aは無理にテンション上げてる様子で、
少しだけぼーっとする瞬間や、顔を歪ませてる瞬間もあり、
スマホの画面を見る時でも、隣の瑠唯さんが見せてたりしてた。
Aが覗き込む、とかじゃなくて、
本当にこれ見てごらんって感じだった。
そうやって周りのメンバーがフォローしてる様子も、
バッチリ押さえられてて、SNSではその投稿が多かった。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時