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ゆっくりと目を開けると、
ものすごく眩しくて目を閉じてしまった。
けど、まぶた越しに慣れてきて、
もう一度ゆっくり目を開けた。
視界に広がるのは、真っ白い天井と仕切りのカーテン。
心電図モニターの音までするから、きっと……。
『ここ、病院？』
海青「あ、Aさん」
『ちぇい？』
海青「おはよAさん。
先生呼ぶからちょっと待ってな」
ベッド横の椅子にはちぇいが座ってて、
そのままナースコールに手を伸ばす。
海青「鈴本が目を覚ましました」
看護師「お伺いしま〜す」
それが終わると、すぐに先生たちがやって来て。
ちぇいは先生たちに頭を下げると、
また後でなって言ってカーテンの向こうに消えた。
それからあれこれ話して、検査して、一泊して、
翌日、病室で告げられたのは。
医者「鈴本さんは、突発性難聴です」
『え、突発性難聴って……』
医者「お話を聞くに、昨日からだとは聞いてるんですが、
他の方々曰く、時折耳を押さえていたりしていると聞いてて……」
『え？いやまさか、そんな……』
医者「突然こんなこと言われても困りますよね」
『ダンスは？
ダンスは、できるんですか？』
医者「スタジオなどの狭い空間なら少しは…。
ただ、アリーナやドーム、ツアーなど多忙でハードな動きは、
今の鈴本さんのお体では、無理に等しいかと……」
『っ……それって、踊れないってことですか……』
医者「映像を見せてもらったのですが、
恐らくは……」
話を聞くに、自覚症状があったにも関わらず長期間置きすぎてる。
とは言われたけれど、本当に自覚が無くて困ってる。
それから何より、ダンスができなくなる。
その事がショックすぎて、
退院した私は、誰にも話せないまま自分の家に帰った。
片耳が聞こえないからか、
いつもよりももっと静かに感じた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2024年3月19日 15時
