*突然だった/リク ページ8
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仕事がようやく一段落して落ち着いた。
翔平「姐様来ましたわね!」
『ただいま〜、来たよ〜』
ようやくリハーサルに参加できたけど、
みんなが楽しそうに踊ってる中、
私はずっと耳鳴りとめまいが凄くて集中できなくて。
視界が揺れるから瞬きを普段より多く、
ぎゅっと力込めたりしてると。
翔吾「どうかした?
さっきから瞬き繰り返して」
彰吾「お?ドライアイか?(笑)」
『違いますし、翔吾くんは一体何を見てるのかしら(笑)』
鏡越しに目が合ったメンバーに心配されたりしてた。
けど、最初の内はこうして笑って誤魔化せる範囲内だった。
それが時間が進んでいくと、症状が悪くなった気がしてきて。
『ヤバ……』
アップも終わって、力矢さんと彰吾さんと
私が抜けてた間に決まった演出の動きを確認している時だった。
本当に突然だった。
キーン、って今まで以上に酷い耳鳴りと、
グラグラすら視界。
何とか瞬きを繰り返すことで誤魔化してためまいだけど、
今はそれよりも酷くて、立っていられなかった。
力矢「A!」
彰吾「A、俺の声聞こえるか?
大丈夫か?」
北人「A!」
樹「音下げて!」
みんなの声が聞こえる。
聞こえるけど、それ以上に耳鳴りが酷くて、めまいも辛くて、
返事をしようにも声が出せなくて。
陣「A!!」
陸「っと」
海青「Aさん!!」
誰かに支えられたのと、
誰かが近くでずっと叫んでるのを最後に、
意識が遠ざかるのを感じた。
「「A!!」」
「「Aさん!!」」
聞こえにくく感じたのはきっと、
酷い耳鳴りのせいだろう。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時