検索窓
今日:35 hit、昨日:171 hit、合計:62,595 hit

*▽ ページ7








Aは人前に立つのが嫌だと、
あの後教えてくれた。




もう何があるか分からないから怖い。




涙を流すことは無いけど、
声を震わせながらそう伝えてくれた。




今日はライブで、ツアーの初日だけど、
Aはずっと舞台袖からゲネプロに励んでる俺らを見守ってた。




リハーサルまではしっかりやれてたけど、
会場に着いた途端、顔色が悪くなっていってて。







海青「Aさん、一緒に手繋いで登ろう?」



慎「ほら、両方からなら怖くないっすよ」







海青と慎がAの気を引きながら登ろうとしてる。



緊張しながらもAはゆっくり登壇して。







北人「人が居ない状態でコレか」



陸「人が居る状態でどうなるか、
ってのはあるよねやっぱ」







俺も、北人も、陸さんも考えてる事は同じ。



人が居なくてこれだと、
人が居ると倍時間はかかるし、
それだけAへの負担も大きい。



こんな目に遭わせた人たちに腹が立ってくるけど、
守り切れなかった自分にも腹が立つ。







北人「壱馬、あんまり自分を追い詰めすぎないでね。
Aは、ちゃんと前に進めるから」




壱馬「おん」







俺はAの横に並んだ。



Aは緊張でそれどころじゃないっぽいけど。







壱馬「今度は絶対守るから。
だから、お前は俺らを盾にしろ」




『壱馬……』




壱馬「大丈夫、横には俺が居る。
周りにはみんなが居る。

俺らを信じてほしい」







マイクを通さないで俺らだけのやり取り。



きっと途中から二人だけの世界だった。




周りの音が聞こえなくて、
ただ自分の覚悟を決めてるAだけを見つめて。







『みんなが居たら、安心だね』




壱馬「ふっ」







まだフラッシュバックしたり、接触するイベントには恐怖がある。



それでも、俺らが横に居たら頑張れるから、
とAは笑いながら教えてくれた。




なら俺らはただ女王様を守るだけ。



それだけの話だ。

*突然だった/リク→←*▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:THERAMPAGE , therampage , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。