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*▽ ページ27









次に目を覚ましたのはホテルだった。




明らかに撮影じゃないはずなのに、
三脚にカメラは設置されている。







『グラビア、とはだいぶかけ離れてません?』




「おぉ起きたのか、おはよう」




『一体、何のおつもりですか。
これ、立派な誘拐ですよね』




「いいや?
撮影だよ、ちょっと大人なビデオのね」




『っ、だから話が違うんだって。
そもそもただの静止画が何が動画に変わって』




「うるさいなぁ。
記念すべき最初の人間になるんだから、
相応しい振る舞いをしなきゃねぇ」




『何言って……』







抵抗を続けようとすると、盛大に打たれた。



けど、そんなことよりも問題は、
両手両足を縛られてしまった現状をどうするか。




幸いして服はまだ来てるけど、
でも……。







「君は頭を回していると厄介なことしかしないからな。
これでも飲んで大人しくしてくれ」




『っ、何をっ』




「我社が生み出した気持ち良くなる薬だ。
徐々に徐々に、体が火照って気が抜けていく」







顔を掴まれたと思ったら、口に何か液体と錠剤を突っ込まれて。



吐き出そうと思ったら、口と鼻を覆われて、
お腹を殴られた衝撃で飲み込んでしまった。







『ゲホッゲホッ』




「どんなに鍛えてても、所詮は女の体。
やはり柔らかいねぇ」




『っ……』







薬を飲んだ瞬間、体が熱くなったけれど、
でも、同時に倦怠感もあって。




心臓がバクバク言うのと同時に、冷や汗が流れる感覚が伝った。







『ちょっ、はなしてっ。
やだ、いやだ!!』




「うるさいっ!」







頬を叩かれて、馬乗りにされた。




触れられるのも何もかもが嫌で抵抗してると、
今度は首に手を当てられて。




今までよりも命の危機を感じた。







『やだ……はなして……』




「最初から受け入れてればこうならなかったんだ。
僕はね、君みたいに賢くて強い女を見ると、壊したくなるんだよ!
絶望も何も知らない君には、想像できないだろう?」




『っ、ぁっ……グッ』




「ははっ、綺麗な顔がどんどん歪んでいく。
安心してくれ、そのまま、体も壊してあげるから。
けど、生活に苦労はしないよ」







もうダメだ。



そう思った私は体の力を抜いて、
窒息でなのか、薬でなのか、両方なのか分からないけど、
ゆっくりと意識を手放した。







「「A!!」」




「離しやがれクソジジイ!!!」







微かにみんなの声が聞こえた。

*▽→←*▽



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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時

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