検索窓
今日:62 hit、昨日:311 hit、合計:62,451 hit

*▽ ページ20








誰かが通報したのか、
警察も駆けつけてきて。




ただ、私にナイフを突きつけたままという状態だから、
下手に手出しができない状態だった。







『っ……』




「ははっ、Aちゃん。
日本の警察は愚かだと思わないかい?」




『なにが』




「こうやって目の前で、人が刺されるのを見るしかない」




『っ……ゴホッ』







肺まで刺さってはないだろうけど、
喉が鉄の香りしてきたから、だいぶいってんな。




状況に慣れてきた私は、
一人冷静にそう思った。




運がいいのか悪いのか、
最近までハードなアクション系の撮影してたから、
何かとまだ体が覚えてる。




こうやって相手に馬乗りにされて、
その状況でも私は抜け出すっていう技を使った。




その時は手負いじゃないし、相手はスタントマンだったけど、
でもこいつはただの素人で変に頭のいい雑魚だ。





普段からダンスやらアクションやらで鍛えてるこっちと、
何もかものフィジカルが違うんだから。







『ごちゃごちゃ喋ってくれて、どうもありがとう』




「え?」







相手が油断した一瞬で、私は男の腕を掴んだまま、
男の首に足を巻き付けてそのまま起き上がった。




男の力が抜けたほんの一瞬の隙に、
自分の胸に刺さってたナイフを逆に男の顔に近づける。







『生憎、最近までこの系統の撮影してたんだ。
私のストーカーしてたなら、これくらい分かるよね?』




「これが本物の鈴本Aだ……。
僕はそんな君が大好きだよ」







スタッフさんや警察がその男を押さえてくれて、
私はようやく解放されたけど、決して軽傷じゃない。




呼吸の度に息が苦しくなるほど、胸の痛みが強くなってきて、
男から離れたそこで、傷口を押さえながら倒れ込んだ。



救急車が駆けつけてたおかげで、直ぐに搬送。




病院に着く直前で意識を失った私は、
そこから記憶が無い。

*▽→←*▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:THERAMPAGE , therampage , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。