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*▽ ページ19








最近つけられてる気がする。



勘違いって言ってしまえばそれまでだから
取り敢えず用心だけにしてた。




でも、背後に立たれるのは本当に無理で
ちぇいだろうが壱馬だろうが、
慣れてるメンバーですら警戒対象になってしまった。




それでもメンバーって分かれば安心して、
いつも力が抜けそうになるのを堪えてた。




ただ、一人になることはできなくて、
自販機にしても何にしても、メンバーを誘ったりしてた。




そうでもしないと、怖かった。




仕事中ですらその視線を感じることがあるし、
ただ挨拶で笑いかけてくれた人ですら、疑っちゃう。







『はぁ……』







もしもこれがストーカーなら、断言できたなら、
簡単に相談できたなら、って考えたりもした。




でも、そうじゃない。







『言えないよ、こんなの』







今日もまた布団の中で朝が来るのを待つ。




朝、送迎車に乗る前に起きた出来事だった。





横から知らない人に押し倒されたのは。







『は?』




「やっと触れることが出来たね、Aちゃん」




スタッフ「鈴本さん!」




「来るな!!
来たらこいつの首にこれ、刺すぞ!!」







そう言って私は首元にナイフを突きつけられた。



今日は別での仕事ってのもあって、
車の中にちぇいは乗ってない。




もしもちぇいが居たら助けてくれたかもしれない。




そんなもしもなんて展開は有り得ない。







「ふふっ、怖い?怖いって思う?
それだけ印象に残る?
そうだよね、僕もそうだ」




『何言って……』




「はじめて君を見てさ、凄いって純粋に感動しちゃった。
おかげで奥さんとも離婚したよ、君を僕のものにしたくて」




『っ』




「君はさ、一生独身宣言してたじゃんか。
だぁーれも相手が居ないんなら、僕が旦那さんになってあげる。
僕なら、君が働きたくないって言っても支えてあげられるよ。
僕にはそれだけの金も権力もあるんだ!」




『なに、それ……』




「ほら、うんって頷かなきゃ、
君の首にこれが刺さっちゃうよ?いいの?」




『っ……』




「そうだなぁ、まずは……ここかな?」




『っ!!』







人生で初めて味わう痛みだった。




首じゃないけど、じわじわと感じる痛み。


胸を刺されたんだ。






「お腹は出すからさせないな?
僕、君が腹を出して踊るシーンがすごく好きなんだ。
でもここなら、出さないだろ?」







目の前の男は、狂っていた。

*▽→←*背後/リク



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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時

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