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*▽ ページ16










力矢さんと陣さんに連れられて、
Aがスタジオに来たのはあれから二週間後だった。




Aが来た瞬間、海青がAに抱きついて。







海青「おかえり」




『ただいま、
って言ってもまだ活動再開は無理だけどね』







一番体格のある海青と、一番華奢なAだから、
絵面的には結構シュールで…(笑)








Aは体調不良で活動休止することがあの会議の翌日に流され、
SNSでは割と「やっぱりかぁ」「体調悪そうだもん」と、
納得の声の方が多くて、批判的な声は少なかった。




実際Aのスケジュールを見てると、
休みと言える日がなくて、半日かと思えば急遽一日とか。



何かと長いこと頑張ってたのを実感した。






そんな環境で頑張ってたのを世間は認めてて、
事務所の先輩後輩、色んな方向からよく連絡が来る。




後輩とは人見知りで関わりが薄いけれど、
何かと心配はされてて。


先輩なんかもセカンドさんを初め、三代目さんやGENEさん、
あっちこっちから連絡が届いてた。







Aは治療してはいても、気分の浮き沈みは激しくて、
時折泣きじゃくったかと思えば、イライラして髪を抜いたり、
かと思えば楽しそうに笑ってたりしてた。



たまに死を切望することもあったけれど、
その度に近くに居たメンバーが慰めたり、話聞いたりして、
何とかAが行動に出ないように見張ったり……。







『はぁー、辛……』




北人「辛いね……」




『なんでこうなるかなぁ』




北人「Aが頑張ってた証拠だよ」




『ランペ守るって決めてたのに』




北人「もうたくさん、十分守ってもらったよA」




『そっかぁ』




北人「うん、そう」







Aは泣きながら俺の肩に凭れてて。



辛そうにしてるけど、まだ受け答えができる日。


酷い時はできない時もある。


それは、こうやって一緒に過ごすようになって
話すようになって気づいたことだ。







北人「焦んないでゆっくりね」




『うん』







俺はAの手を握りながら、
俺らの願いが届くようにと囁いた。

*▽→←*▽



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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時

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