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北人に言われた
自律神経失調症じゃないかって。
そんなの言われなくても気づいてる。
ここ最近頭痛くなったり、動悸やめまい。
少なからずとも症状がチラホラ合ったし、
たまに自分じゃないみたいにイライラすることもあった。
だからあれこれ調べてたけど、
それら全てが合致するのが自律神経失調症だった。
けど認めたら、頑張れなくなりそうな気がしたから、
ずっとずっと誤魔化して、誤魔化し続けてた。
有難いことに仕事は山積みで、
スケジュールが分刻み。
ドラマの撮影やら、ダンスの練習、雑誌の撮影、
映画のオーディションから、顔合わせから、撮影から。
移動の合間に台本を覚えて……。
移動も、新幹線もあれば飛行機もある。
北の北海道から南の沖縄まで、
あっちこっちを一週間にどれだけ行き来してんだよって。
かと思えばまた東京に帰ってきて、
ここ最近家にすら帰れないことが多くて。
こんな生活だったから
誤魔化すことができないくらいに余裕無かったのは、
北人に言われて気づいて……。
それからも誤魔化し続けてたけど、
ある日の出来事だ。
ダンスのリハーサルで、ここが本業だし、
メンバーだけってのもあって気が抜けたのか、
体のだるさが尋常じゃなかった。
『やばぁ……』
北人「A?」
今回なぜか北人がめちゃくちゃ気にかけてんだけど、
まぁあれだけ正面衝突してんのに、これだしなぁ。
とか、どうでもいいこと考えてるけど、
今笑えないくらいに汗かいてるし、
なんなら動悸もえげつないほど。
過呼吸まで行かなくても、苦しく呼吸してると、
少しずつ視界が白くなっていって。
頭がふわふわしてて、前後が分かんなくなって、
そして、私はそのまま、
北人「A!!!」
『ごめ、ん……』
北人の声を最後に私は意識を手放した。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時