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ご飯食べられないまま迎えたライブ本番、
メンバーに言われるほど痩せてる自覚もある。
けど緊張しすぎてご飯も食べれないし、
世間からは俳優さんと並ぶな言うけど仕事なんだから無理言うな。
そう思い続けてたらそれすらストレスなって、
気がつけば頭痛や腹痛、肩こりとかにも悩まされてる。
そんな状態でライブとか本当に不安しかなくて、
笑える状況でも無かった。
焦りしか無かった。
大丈夫、大丈夫。
そう言ってるけど本当は大丈夫じゃない。
逃げ出したい。けど、それもできない。
行きたくない、朝が来なければいい。
そう願っても朝は来るし、仕事は始まる。
それは今日もだ。
「消えなよ」
「ランペ辞めろ」
「お前なんか要らない」
「壱馬くんを取るな」
本当に言われてるのか、幻聴なのか分からないけど、
そんな声が聞こえてきた。
きっとそれが世間の声ってやつなのかもしれない。
『もう無理かなぁ……』
幸いステージは大音量だ。
コンディションが最悪な体では耐え切るのもやっとだけど、
そのおかげで誰も独り言を拾うことが無い。
隣で踊ってる人たちも、ライブに興奮して気づけない。
今この場で置いてかれてるのは私だけだ。
なんかそう思ったら笑えてきた。
本当に居る意味無い。
ファンの言葉は合ってたのかもしれない。
そう思ったままアンコールが始まり、
キリキリ痛むお腹を無視して踊り切った。
壱馬「ありがとうございました〜!」
北人「ありがとうございました!」
陸「またね〜!ありがとうございました〜!」
最後の曲を終えて、私たちはステージを降りた。
その途端ダメだった。
翔平「Aさん!」
龍「Aさん!」
誰かが呼ぶ声が聞こえる。
けどあんまりにもお腹の痛みと吐き気に耐えきれず、
何度か咳き込んでしまった。
翔平「龍そのまま抱っこして!」
龍「はっ、はい!」
陣「どないした!?」
翔平「Aさんが、倒れて!」
周りがバタつく中、
手に水っぽい何かが付いて、口の中に血の匂いが広がった。
ちょうどそのタイミングで龍が下ろしてくれて、
肩で呼吸をしながら手のひらを見ると、
そこには想像の通り、血で赤く染ってて。
『ふっ……』
翔平「Aさん!!」
そのまま意識を手放した。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2024年3月19日 15時