【暗殺教室】目立たない彼女・三時間目 (ページ41)

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141話　「分裂(2)」ページ41

渚と中村の間に冷たい空気が流れる中、中村の意見に賛同したのは寺坂たちだった。

寺坂「助けるって言うけどよ、具体的にどうすんだ？」

渚「で、でも！」

吉田「俺らだって考えなかったわけじゃねぇ！けどな、もし方法が見つからずに時間切れしたら、どうなるよ？」

寺坂「あのタコが、そんな半端な結末で、半端な生徒で喜ぶと思うか？」

渚「……で、でも！考えるのは無駄じゃ……」

「才能あるやつってさ、何でも自分の思い通りになるって勘違いするよね〜」

渚も寺坂たちが言い合っていると、Aの隣から怒りを孕んだ声がその言い争いを止めた。

業だ。

業「ねぇ渚くん、随分調子に乗ってない？」

渚「え……？」

業「E組で一番暗殺力があるの渚くんだよね？
その自分が暗殺止めようとか言い出すの？」

業はポケットに手を突っ込んだまま渚に向かっていく。

その背中を見たAは何も言わずに、と言うより興味無さげにため息を吐いて瞼を閉じる。

業「才能が無いなりに、必死に殺そうと頑張ってきたやつらのことも考えず。
それって例えるなら、モテる女がブスたちに向かって、たかが男探しに必死になるの止めようよ〜、とか言ってる感じ？」

渚「そ、そんなつもりじゃ……。
第一……暗殺なら僕なんかよりカルマくんの方がずっと……」

業「そういうこと言うから尚更イラつくんだよ。
実は自分が一番力が弱い人間の感情、理解してないんじゃないの？」

渚「違うよ！そう言うんじゃなくて、もっと正直な気持ち！」

苛立ちによってどんどん煽り文句が業に対し、普段声を荒らげない渚も大声で否定する。

渚「カルマくんは、殺せんせーのこと嫌いなの？
映画一緒に見に行ったり、色々楽しかったじゃん！」

業「だからぁ！そのタコが頑張って渚くんみたいなヘタレ出さないために楽しい教室にして来たんだろ！？
殺意が鈍ったら、この教室、成り立たないからさぁ！
その努力もわかんねぇのかよ？体だけじゃなく、頭まで小学生か？」

珍しい二人の言い合いにA以外に緊張が走った。

その時だった。

黙り込んだ渚が、業をキツく睨んだのは。

業「あ？小動物の分際で、人間様に逆らうの？」

その渚の目付きに対し、業は瞳孔を開いて渚を見下ろした。