【暗殺教室】目立たない彼女・三時間目 (ページ23)

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123話　「殺せんせー対理事長(3)」ページ23

緊張が走る中、殺せんせーが煽る。

殺せんせー「さぁ浅野理事長、最後の一冊を開きますか？
いくらあなたが優れていても爆弾入りの問題集を開けばタダでは済まない」

吉田「あんたが持ち出した賭けだぜ〜？死にたくなきゃ潔く負けを認めちまえよ！」

學峯は殺せんせーに乗じて煽る吉田を睨む。

睨まれた吉田は隣に立っている片岡に縋ったが、彼女も吉田を離しながら声をあげる。

片岡「それに私たち、もし理事長が殺せんせーをクビにしても構いません！」

神崎「この校舎から離れるのは寂しいけど、私たちは殺せんせーについて行きます」

磯貝「家出してでも、どこかの山奥に籠ってでも、僕らは三月まで暗殺教室を続けます」

生徒たちが続けて声をあげると、學峯は冷たい表情のまま生徒と殺せんせーを睨む。

學峯(今年のE組の生徒はいつも私の教育の邪魔をする。
ここまで正面切って歯向かわれたのは何度目だろうか)

學峯「殺せんせー、」

殺せんせー「んにゅ？」

學峯「私の教育論ではね、あなたが地球を滅ぼすならそれでも良いんですよ」

「「！？」」

學峯は問題集を開いた。

そして、当然、それは爆発する。よりにもよって、その20パーセントの確率を当てた。

學峯(地球が無くなれば、結末は全員平等に訪れる。
私の生徒だけが不利益を被ることも無い。それは、私の教育のひとつの理想だ)

だが、目の前は何も変わっていなかった。

殺せんせー「ヌルフフフフ、私の脱皮をお忘れですか？」

學峯「なぜそれを自分に使わなかった？」

殺せんせー「あなた様に温存しました。私が賭けに勝てば、あなたは間違い無く自爆を選ぶでしょうから」

學峯「……なぜ、私の行動が断言できる？」

殺せんせー「似た者同士だからです」

その一言に學峯も一瞬だけ反応した。

殺せんせー「お互いに意地っ張りで教育バカ。自分の命を使ってでも教育の完成を目指すでしょう。
テストの間に、昔のあなたの塾の生徒に聞いてきました。あなたの教師像や起こったことも。
私の求めた教育の理想は、十数年前のあなたの教育とそっくりでした。
私があなたと比べて恵まれていたのは、このE組があったことです。
纏まった人数が揃っているから、同じ境遇を共有しているから、試練にも団結して耐えられる。一人で溜め込まず相談できる。
そして理事長、このE組を作り出したのは、他でもない。あなたなのですよ」

殺せんせーは、いつも生徒に向ける真っ直ぐな眼差しを、學峯にも向けて告げる。