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私たち二年生は片付けやら何やらをやるから
卒業式の後に直接壱馬くんたちと過ごすのは無理だった。




けど、無理だと思ってた晴れ舞台を見れてホッとして、
ニヤける顔に力を入れながら片付けてた。










翔平「およおよ?姐さんってばどうかなさって?」




『……幸せだなって実感してただけだよ。
ダンス部主将は何やってんの?』




翔平「私、両手が塞がっておりまして」




樹「おい翔平!早く来いってば!!」




海青「お前のそれ無いと閉めらんないんだって!」




翔平「それはかたじけない!
すぐに参るで申す」




『……使い方合ってんのか?』










翔平は樹と海青に呼ばれて、すぐに走っていった。




壱馬くんの後輩ってと樹と仲良いってこともあって、
何かと距離が近くなった二人だけど、絡んで見るとまぁまぁ面白い。




それに、樹の過去を全て知ってる。




特に翔平は幼なじみらしいし、
元々は地元で進学が決まってたのに
樹の後を追ってここに来たくらいだからフッ軽にも程がある。










海青「A、なんか困ってる事ない?」




『大丈夫だから、向こうのひな壇下げるの手伝ってあげて』




海青「それもそうだな」










私は自分の作業を済ませると、
先生たちの指示に従って教室に向かった。




その時だった。










壱馬「A」




『先輩、まだ残ってたんですか』




壱馬「逃げてんだよ、あれから」




『……』










壱馬くんが指差す方を見ると、
そこには誰か別の人が女子に追いかけられてるのを見て苦笑い。




あれに追いかけられるのは嫌だな。










壱馬「もう少しで終わりやろ?」




『はい、あと少しで。
三時前には帰ってますよ』




壱馬「ほんなら北人と翔吾と力矢さんの喫茶店に居るから、
アイツらと来ぃや」




『分かりました』




壱馬「じゃ、また後で」




『ん』










誰が見てるか分からないけど、
取り敢えず少しだけ壱馬くんの温もりに胸が高鳴った。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時

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