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朝起きてリビングに行くと、
ソファーで二人が仲良く眠ってた。
お互いに凭れて、同じブランケット被って
スヤスヤ眠ってた。
『可愛い』
私は二人の様子に笑うと、静かに朝食の準備に取り掛かる。
きっと、夜中に何かあったんだろうな。
二人にしか無い距離感ってのが存在してるから、
私にはどうすることもできないのだけど。
私は笑うとお味噌汁を作って寝かせてる間に、今度はおにぎり。
具材は適当に冷蔵庫にあったものを作って、パパッと握る。
『もう少しで卒業か……。
進学とかどうするんだろ』
もしかしたらこの家からも出てくかもしれない。
そう思うと少し寂しくなるけど、
これもまた二人の人生なのだからどうすることもできない。
二人が起きるまで温かいお茶を飲みながらぼーっと過してると、
先輩が先に目を覚ました。
壱馬「ん……あさ……」
北人「んん…?」
『あ、おはようございます』
壱馬「おはようA」
北人「おはよーA……朝早いねぇ」
『って言ってももう9時回ってるけどね』
えっ、と時計を見た二人。
完全に遅刻だからね。今からなら。
壱馬「……二日連続サボんのか」
北人「まぁ単位は取ってるから問題無いけどさ」
壱馬「んん………」
まだ起ききらない二人だけど、
ゆったり過ごしてる内に覚醒してきたのか、
ようやく動き出した。
北人「ご飯食べよっか」
『お味噌汁とおにぎりなら作ったよ』
壱馬「中身は何?」
『高菜と明太子と沢庵と塩と鮭と梅』
北人「俺塩と梅〜」
『私沢庵と鮭』
壱馬「俺明太子と高菜」
同時にこうなる事が分かってた私たちは、
お互いの顔を見合わせて笑う。
北人くんの目が腫れてたのが心配だったけど、
スッキリした表情してるから触れない方が良いだろうなって思って、
私は何にも言わないことにしたし、聞かない。
北人「ご飯食べよっか」
壱馬「せやな」
『うん』
三人で朝食の準備を終えると、食卓テーブルを囲む。
最近じゃ見慣れたこの風景。
三人で手を合わせて、それから。
"いただきます"
と、声を揃えた。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時