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壱馬なぁ、近くのカフェまで来てくれん?
現在地送っとくわ

壱馬【現在地の住所】



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




先輩から呼び出された学校終わり。



帰るところは一緒なのにわざわざ呼び出す辺り、
学校に行ってないんだろうなってのは予想がつく。




先輩たちの進路がどうなるのか、
私はまだ聞いていないけれど、
きっと、田崎先生たちが騒いでないから、
そこまで心配する必要も無いんだろうなって思ってる。




靴を履き替えた私は、
スマホのナビを頼りに呼び出された場所まで足を運んだ。










『……ここ?』










辿り着いた場所はカレー屋さんっぽい場所で、
少し緊張しながらドアを開けた。




カランコロンとドアベルがなると、
カウンターの中に立っていたガタイの良い人がこちらを見た。










「君は、あぁ壱馬に呼び出されたのは君か」



『あ、はい……そうですけど……』



「俺の名前は力矢、ここの店のオーナーだよ。
壱馬は奥のソファー席に居るから」



『ありがとうございます……』










リキヤさんと名乗った人は優しく笑って
先輩の場所を教えてくれた。




私は緊張する心臓を落ち着けるように深呼吸をして、
ただまっすぐこっちを見る先輩の前に腰を落とした。










『失礼します』



壱馬「急に呼び出してごめんな」



『いいえ』



壱馬「ここ、素敵な場所やろ?
隠れ家的な場所で、マスターの力矢さんもよくしてくれるんだ」



『こんな素敵な場所、いつ見つけたんですか?』



壱馬「英語教師のELLY先生居るやろ?」



『はい』



壱馬「の、弟が力矢さん」



『……はい?』



壱馬「あの人と、臣先生とELLYさんが仲良かったから知ってんだ。
というより、教えてもらった」



『……二人に?』



壱馬「何か困ったことがあったら、ここを逃げ場所にって。
事情は知らなくとも、手を貸してくれるって言ってたから」










思わない登場人物たちに驚いてたけど、
そんな中で私は気づいてしまった。




呼び方が変わってることに。




それと同時に、先輩がここに呼び出した理由が分かる。










壱馬「Aに、俺の全部を話す」



『……私で良いんですか?』



壱馬「Aに、知ってもらいたい。
俺の全てを」










先輩はそう言って、微笑んだ。




先輩は、ようやく自分の心に決心がついたんだろうな…。
私はそう思った。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時

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