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K.K side








敬浩【はーい、どうした?】



壱馬「あの、頼みがあって」



敬浩【なにー?】



壱馬「……あの人と話がしたいんで、
日程組んでくれませんか」










俺はある事を心に決めてから、
田崎先生に連絡を取った。



電話越しに田崎先生がしばらく黙り込んだ。
けど、それも束の間で。










敬浩【タイミング良いなお前】



壱馬「え?」



敬浩【力矢の店に集まってるから、15分で来いってさ。
今目の前に、壱馬が会いたがってる人が居るよ】



壱馬「急いで向かいます」










電話を切った俺は、急いで服を着替えて上着を羽織ると、
財布、鍵、スマホを持って玄関に向かった。




すると、そこには連絡が言ったのかタイミングが良かったのか、
北人が壁に凭れて立ってた。










北人「もう決心ついたの?」



壱馬「他人にも自分にも嘘はもう吐きたくない。
だから、この気持ちが本物が確かめてくる」



北人「気持ちって」



壱馬「母さんを助けたかったって気持ちと、
あの子を助けたいって思う気持ちが、同じなのか、違うのか」



北人「あの子って、Aのこと?」



壱馬「…………そうや」










こう時間が無い時に限って、北人が絡んできた。



というか、掴みかかってきた。










北人「Aに手を出したらお前でも殺すって俺言ったよ」



壱馬「手を出すか出さんかはさておき。
もう二度と同じ過ちを繰り返したくないだけだ」










真っ直ぐ俺と北人の瞳が交差し合った。




お互いがお互いを殺す勢いのままだったのだけど、
北人が先に離してくれて。










北人「今度こそ、ハッキリさせて来いよ、相棒」



壱馬「……おう」










俺らは拳を合わせて、
俺は時間に間に合わせてすぐ近くの目的地に向かった。





高一の頃、何度かあの人と一緒に過ごした、温かいお店に。










息を切らしながら店のドアを開けると、
勢いよく開けたせいで、カランコロンと大きめにドアベルも鳴く。




息を切らしながらカウンターを見ると、
この店のオーナーの力矢さんが立ってて。










力矢「久しぶり壱馬、あの人なら向こうだよ」



壱馬「力矢さん、ありがとう」



力矢「うん、行ってらっしゃい」










俺は頼もしい人に背中を押してもらって、
あの人が居るであろう席に向かう。










「14分55秒。
ギリギリだな、壱馬」



壱馬「……臣さん」










登坂広臣。
俺が会いたかった人。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時

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