検索窓
今日:39 hit、昨日:33 hit、合計:44,050 hit

73 ページ23

今日は月がよく見える。




私はベランダに出て、ブランケットを羽織り、
温かい両手に月を見上げた。




男性陣はまだ中で盛り上がってる。










樹「翔平、それ俺の」



翔平「なんと、それは申し訳ないでござるふぃじわらのいつき」



樹「何キャラ」



北人「ホント翔平ってどこでもうるさいよね」



陸「めちゃくちゃ真顔で言わんで北ちゃん」



慎「………ふっ」



翔平「堪えきれてねぇからな慎」



翔吾「ははっ、それずっと引き摺ってんね翔平」










ダンス部を筆頭に元気な彼らは、
こうしてると普通の高校生なんだなって実感する。



約一名成人混ざってるけど。




ココアを飲みながら空を見上げる。










壱馬「今日は月が綺麗ですね」



『え?』



壱馬「素直な感想や」



『先輩、こっちに居て良いんですか?』



壱馬「向こう居ったら疲れそうやから、
静かなこっちに逃げてきた」










そう言って笑う先輩の手にはお皿があって、
それにはしっかりと食事が乗せられてた。




ゆっくり食べられないから逃げてきたんだなってのは分かる。










壱馬「アイツら、いつでも元気やんな」



『それがいい所でもありますけどね』



壱馬「陸さんも、酒入ってないのにあんなテンション上がって」



『ふふっ。
良いじゃないですか、楽しければ』



壱馬「せやな」









先輩もブランケットを羽織って、
モグモグとお皿に乗ってる食事を食べてく。




華奢な体のどこにそれが入るんだろうか。










壱馬「なぁA」



『はい?』



壱馬「もう苦しくない?」



『っ』










先輩は一切こっちを向かなかった。



でも私は、その問いかけに息を飲んで、
先輩に釘付けにされた。










壱馬「俺にはさ、なんやかんや言葉にしてくれるあの人も居て、
翔吾とか北人とかも居てくれるし、Aも居る。
けど、Aはあんまり女の子の友達おらんやろ」



『まぁあれだけのことありましたから、
作るのはちょっと難しい』



壱馬「A、俺らはいつでも味方やからな。
これだけは忘れんとってよ」



『先輩の方こそ』










私は笑って少しだけ先輩に身を寄せた。




少し先輩の動きが止まった気がするけど、
そんなの無視して私は笑った。










『暖かいですね』



壱馬「っ、ほんま……そう言う」










照れた先輩に私は身を寄せた。




触れた部分が本当に温かい。

74→←72



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。