検索窓
今日:29 hit、昨日:59 hit、合計:44,007 hit

62 ページ12

あの後、翔平と慎も来て和気あいあいとしてた。




けど、全員帰ったその日の夜。










北人「疲れた?」



壱馬「……まぁ」



北人「お疲れ」










先輩は気疲れしてソファーに脱力してた。




それを労る北人くん。










壱馬「前までなら、取り繕えたのにな」



北人「でも、みんな喜んでるんだよ」



壱馬「……喜んでる?」



『先輩は一人で抱えて、一人でどうにかしようとしてしまう。
そんな人ですけど、見てる側は案外、寂しいもんですよ。
頼られてないのかなぁって』



北人「そうそう。
樹なんて、嫌いなものは人の皿に乗せてくるし、
苦手なタイプの人間が来たら俺や翔平を盾にするし」



『先輩は、あの子たちに頼られて迷惑って思うんですか?』



壱馬「可愛いなぁってはなるけど、迷惑じゃ……」



『それと同じですよ。
ね、北人くん』



北人「そうそう。
だから、頼っていいんだよ壱馬。

どっちかって言うと、
前みたいに一人で抱えてる方が心配だから」










某光るネズミのぬいぐるみを抱きしめる先輩は
私たちの言葉を飲み込もうと必死になってて。




そんな姿の先輩に北人くんは笑ってた。










北人「そんなに難しく考えないでよ!」



『それに、先輩が「周りも頼れ」言ってるんですから、
その姿を見せてくださいよ!』










先輩は自分みたいになって欲しくなかったから
かけた言葉だったのかもしれない。




もしかしたら、認めて欲しかったのかもしれない。




色んな感情を抱えてたかもしれないけど、
その言葉が、その行動がどれだけ嬉しかったか知ってるだろうか。










北人「壱馬はさ、意識してないかもだけど。
Aが素直に感情出せたのは壱馬だけだから」



壱馬「……」



北人「自分に何ができるんだろうって考えるかもしれない。
でも、壱馬は自分が辛い時でも誰かを救えてた」










北人「それが、まこっちゃんとAだと、
俺は思ってるよ」










北人「だからね、壱馬。
辛い時は辛いって、言葉にしてもいいんだからね。

そしたら絶対、俺らが助けるから」










そう断言した北人くんは、誰よりも頼もしく見えた。



そう感じたのは私だけじゃないだろう。

63→←61



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。