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いつの日からか先輩が住むようになった。
いやまぁ、そうしないといけなかったからだけど。
別に人が増えるのはいいんだけど、
年頃の男女がひとつ屋根の下って。
北人「壱馬、Aに手を出したらいくら壱馬でも殺すからね」
壱馬「言っとくけど俺らそういう関係でもないしな。
つか、俺は手出さん」
翔吾「まぁまぁそう喧嘩せんと。
これから一緒に暮らすAが可哀想やろ」
樹「そうですよ北人さん」
北人「え、俺?」
私はみんなが使った食器を片付けながら
四人の会話を聞いていた。
ちょこっと作業するにあたって
どうしても人手が必要だったから。
ちなみに青山さんは参加できなかったのがショックだったらしく
先輩、北人くん、岩谷先輩に会えないってしょげてた。
樹「あ、翔平とまこっちゃんがもう少しで来るそうです」
翔吾「アイツら仲良いよな、壱馬のことに関すると」
樹「まぁ信者ですから」
壱馬「可愛ええよなあの二人」
樹「まこっちゃんはまだしも、翔平はよく分かりませんね」
北人「拗ねるなよ樹。
俺が居るだろ?」
樹「は?」
北人「マジトーンで返すなよ、傷つくわ」
四人とも下らない会話してるけど、
バッチリ手は動かして作業してます。
何か言ってないと効率上がんないんでしょうね。
壱馬「ったく、お前らはすぐそうやって喧嘩する」
翔吾「ははっ」
北人「喧嘩じゃないもんな、じゃれ合いだもんな」
樹「一方的に絡まれてるだけです」
翔吾「とか言いながら北ちゃんが引きこもってた時、
心配しすぎて俺に連絡してたの忘れてんやろ?」
樹「それは言わないお約束です!」
北人「なーにぃ?
心配してくれてたの!?ありがとう!」
『ってか引きこもってた時って……』
私はその時の樹を思い出して、
少しだけ笑った。
樹って、案外北人くんのこと大好きだもんね。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年12月20日 11時