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家に着いてすぐに客間を整えて、




先輩にはシャワーを浴びてもらい。










壱馬「ありがとう」



『いえ。
取り敢えず準備は終わったので』



壱馬「おん」



『次私入ってきます。
北人くんの部屋に入らなきゃ何しててもいいので』



壱馬「これで俺がAの部屋に入ってたらどうするん?」



『どうもしませんよ。
見られて困るものは無いし』










北人くんは誰かに部屋に入られるのを凄く嫌うから
私も先輩も彼の許可無しでは入らない。





私は困ることが無い。


特に先輩は揶揄うつもりで言ってるのが分かるから
真に受けることもない。










壱馬「冗談やから、ゆっくり入っといで」



『何かあれば、スマホ鳴らしてください』



壱馬「おん」










先輩に見送られながら私はシャワーを浴びる。





シャワーだけなのでそんなに時間はかからずにリビングに戻ると
先輩がソファーに座ってどこかを見つめてて。




どことなくアンニュイな様子。










『やっぱり落ち着きませんか?』



壱馬「……いや、そうちゃうよ」



『すみません、巻き込んじゃって』



壱馬「気にせんでええって」










先輩は優しく微笑んでくれた。



そして私を手招きしながら、
自分が座ってる隣を叩いてる。



自然とそこに足を向けて、隣に座ると、
先輩は優しく私の頭を撫でてくれて。










壱馬「A、少し肩の力抜いてもええんやで」



『……』



壱馬「周りを見て気を遣えるのはすごくええことやと思う。
けど、俺や北人の前でくらい、気張らんでもええんよ」










先輩はいつも、私の目を見て
優しく微笑んでくれて、優しい言葉をくれる。




だけど、それは私からしたらあなたもそうで。







学校で見るあなたも、




部活で見るあなたも、




私の前にいるあなたも、






きっとどれも本物で、









演じてる川村壱馬で。










『あなたは、いつも……』



壱馬「ん?」



『先輩は、誰か居るんですか』



壱馬「何が?」



『自分を見せてもいいやって思える方が』










その瞬間、あなたの目の奥底が











冷たくなった。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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