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私も北人くんも翌日には学校も、部活もある。




だけど、眠れる状況でも無くて。










北人「Aは、どうしたい?」



『どうしたいって……』



北人「……壱馬にさっき連絡は入れた。
けど、今の壱馬は返信するのにもだいぶ時間がかかるから」



『先輩の状態、そんなに悪いんですか?』



北人「……心がね」










北人くんはソファーの肘置きに凭れて、
どこを見てるのか分からない表情を浮かべていた。










北人「壱馬は元々明るい性格でもないらしいし、
本来の壱馬ってのを、俺も翔吾も知らない。
けど、ふとした時に片鱗が見えるんだ」



『あ、確かに。
たまに、雰囲気変わりますよね』



北人「前々から、そういう時は関わらないでって言われてた。
だから俺らも関わろうとしなかったんだけど、
そういう時の壱馬ってさ、いつ死のうとするか分からなくて、
俺も翔吾も注意深く見てたんだよね」



『そう、だったんですね』



北人「今回は色々事が重なって、
壱馬自身、ストレス凄かっただろうから、
正直想像もできてたし、分かってたことだからいいけど」










こうして分かってくれる人が隣に居てくれる。




それがどれだけ嬉しいんだろう。




兄弟も親友も居ない私には無いものだ。




そう思ってると、北人くんが頭を撫でてきて。










北人「また難しいこと考えてるでしょ?
Aには、壱馬と樹が居んじゃん」



『え、けど……』



北人「案外、見てるよ、あの二人。
Aが思ってるよりも、Aは周りに愛されてる。

だから、心配しないの。

それに、俺だってAのこと大好きだからね」










北人くんはそう言って抱きしめてくれた。



その温もりに、思わず涙が零れそうだったけど
どうにか堪えて、北人くんの背中に手を回した。










『私も、北人くんのこと、大好きだから。
救えるかは分からないけど、いつでも話は聞くからね』



北人「うん、ありがとう」










私たちは体を離して笑い合ってると、
ゆっくりと空が明るくなってるのに気がついた。










北人「朝が来たね」



『うん』










これからの事を、話さないといけない。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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