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K.K side








Aの手術が無事に終了して、
麻酔の関係で二、三日は目が覚めないらしいけど
状態に異常は無いらしい。




それを聞いた瞬間に北人が安堵して泣き崩れた。










北人「よかった……っ」



樹「北人さん」










横に居る樹が北人を抱きしめてなだめて、
落ち着いた頃に先生たちがAの病室に案内してくれた。




麻酔してるから酸素マスクは付けたままだし
いくらか輸血もしたらしいから、
どうしても顔色は良くないけれど、




それでも、Aは生きてくれた。










北人「A」










北人は目の前でAが意識を失う瞬間を見てた。



気が気じゃなかったはずだ。



それに、妹みたいに可愛がってるいとこを
危うくあの男のせいで死にかけるところだったんだから。





俺らがAの病室でしんみりしてる時だった。










翔吾「良かった、無事終わったってな」



北人「翔吾!」



陸「もう大丈夫なの?」



翔吾「点滴も打って何とか落ち着きました。
すみませんでした、心配かけて」



壱馬「気にせんでええよ。
俺らも翔吾に負担かけすぎてたんも事実やから」



翔吾「そんな言い方せんで。
俺、今だから言えるけど、何も知らないで親友亡くすのは嫌よ」



北人「そうだよ壱馬」



翔吾「俺からしたら北ちゃんもやで」



北人「え?」









翔吾はいつもの穏やかな雰囲気を残しつつ
真面目な表情で俺らを見つめた。




ロックオンされた俺たちはそれぞれ動けなくなって。










翔吾「北人は何があっても感情を表に出すことはあまり無いし、
相手にめちゃくちゃ遠慮ばっかして距離を置くのは悪い癖やし、
壱馬は壱馬で暗い感情の沼にハマれば自分の殻にこもってるし、
いつだって俺らのこと頼ってもいいのに距離置こうとするし、
樹も本当はとっても辛いはずなのにいつも周りばかりに気遣って
自分のこと話すの苦手だからって何も言ってくれないし」










翔吾「普段からどんだけ俺がみんなを心配してるか知らんやろ。
俺はみんなと違って、両親と仲悪いわけでもなんでもない。
けど、だからこそ、みんな見てて辛くないわけないやんか」










翔吾「今は辛いの、我慢しなくてもええやんか」










翔吾の涙ながらの話に、俺も北人も樹も、涙を流してた。



そんな俺らの様子を、陸さんも涙目になりながら見てて。




恥ずかしげもなく泣いて
少しだけ気持ちが楽になった気がした。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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