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T.T side
手術室の前に、岩ちゃんと臣と直人くんも集まった。
病院からAが刺されたって連絡が来て
健二郎も一緒に来てみれば、子供たちは憔悴。
幸いして三人が気を許してる陸も居てくれたから
まだ会話はできる様子で。
敬浩「まだ十八にもなってないんだもんな、あの子ら」
広臣「子供なんて、親を頼るしかないのに
その親がろくに機能してない」
剛典「他にも家庭環境に苦しんでる子達は見たことある。
けど、あの子らは、酷すぎる」
直人「壱馬とA。
その二人を間近で見続けた北人と翔吾」
大人しか居ないここで、
みなまで言わなくても言葉の先は想像出来る。
まだ十代で抱え続けられる内容じゃない。
そう思ってた時に健二郎が直人くんにメッセージを飛ばした。
直人「翔吾が倒れたって。
ストレス性貧血だから、今処置室で寝てるって」
敬浩「北人も心配だな」
広臣「個人的に樹も気になるけどな。
岩ちゃんから話聞く限り、あいつの家庭環境もろくでもないだろ」
剛典「樹の所はもう終わってるよ。
両親と入れ替わりで、おばあちゃんが今樹引き取ってる。
ただ、まだ心の傷が治ってないだけで」
樹の両親もまぁまぁろくでもない人たちで
唯一樹に気づいた岩ちゃんが解決してくれたから、
大事にはならずに終わった。
ただ、学級の振り分けと担任の振り分けが合わなかった。
今は何とか落ち着いてるけど、
その矢先に四人の問題が同時に挙がってきた。
敬浩「まだ高校生だってんのに、
夢も希望も何も無いじゃんか」
それぞれが部活でも功績を収めてて、
未来ある子供たちの象徴でもあった。
全員がプロから目をかけられてた。
それが、この一瞬で崩れようとしてる。
医師「Aさんの手術が終わりました。
奇跡的に大きな血管損傷も無く、臓器へのダメージも薄い。
二、三日したら目を覚ますと思いますよ」
直人「本当ですか。
ありがとうございます！」
不幸中の幸いだった。
俺らは顔を見合せて、安堵したのを覚えてる。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年11月26日 6時
