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高校ではわりと私はいい子ちゃんの部類で。







担任からの頼み事



級友からの頼み事



委員会の助っ人



部活の雑用作業






それらは当たり前のようにこなす。




なのだけど。










壱馬「またお前らか!
あんまりこいつ一人に作業押し付けんなって
何度も言ってんだろ、な?」



「あっ、川村先輩!
何してたんですか?」



壱馬「誰かさんのお迎え代理。
マジで悪いんだけど、その誰かさんがだいぶ急ぎだから
今日はこいつ引き取るな」



「え、あ、はい」



壱馬「荷物は持ってるから!
それじゃ行こうか」



『え』










そう言って引っ張られたのは近所のお好み焼き屋さん。




そこには北人くんも居て。




あと、岩谷先輩。










北人「おっそ〜い」



翔吾「まぁまぁ北ちゃん、怒んなって」



壱馬「しゃーないやん。
いつもながらのお人好し発揮しとったんやから」



翔吾「関西弁出てんで壱馬」



壱馬「ヤバ」



『……帰っていいですか?』



北人「なんでよ!」



『いや逆になんで私がここに居るんですかって。
吉野さんも料理できるし、関西出身の二人が焼けないわけないし。
別に私食べたい訳でもないので』



壱馬「まぁまぁピリピリしないで、
これ食べたら美味いぞ」



『あ、明太子嫌いなんで要らないです』



壱馬「ははっ、ご機嫌斜めだなぁ」



翔吾「どんな拉致り方したんや壱馬」



北人「ねぇー、機嫌直してよ〜」










このメンバーで集まるのは疲れる。




私は先輩の隣に座らされて、強制と言わんばかりに
ヘラで熱々のもんじゃを口に突っ込まれた。










『あつっ!』



壱馬「ははっ、普段怒んねぇから
こうやって感情剥き出しなのは気持ちがええな」










その言葉に、その笑顔に




私は何も言えなかった。










あなたの眼差しが




他の二人と違うことに、気づいてたから。









この時の私は知らなかった。









先輩の、本当の言葉の意味を。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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