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翌日、放課後に病院に集まってた三人が呼ばれた。




内容が内容だったから
流石に校内放送ではなく、個別で来てたけど。





生徒指導室って言われたからそこに来たら、
担当の田崎先生と、岩谷先輩の担任の山下先生と
私のクラスの新担任の片岡先生が集まってた。










あと、登坂先生。










直人「ごめんな、急に呼び出して。
それぞれ部活もあるのに」



翔吾「いいえ。それより、壱馬のことですか」



敬浩「うん」










長机に北人くんを真ん中に座る私たちは、
それぞれ緊張した様子で先生方を見つめていた。




きっと、悪い予感が働いてたんだと思う。










敬浩「壱馬がまた、意識不明になった」



北人「なんで!?」



敬浩「担当医が言うには、精神的ショックだろうって」



翔吾「何かあったんですか?」



広臣「壱馬の母親が自供した。
幼少期の頃から壱馬への虐 待を」



『っ』



敬浩「最初は精神疾患ってことで精神病棟に入院の予定だった。
けれど、臣がその事に気づいてて、あの時話した結果、
今回の母親の逮捕に繋がったんだ」



北人「……それで、壱馬はなんて…?」



敬浩「ずっと、母親を庇おうとしてた。
母親がおかしい事に気づいてても、庇ってたんだ。
典型的な反応だよ」



健二郎「今回呼んだ理由は、それの報告ってのもある。
ただ、この三人で一度壱馬の見舞いに行ってやってくれんか」



『え……』



健二郎「少なくとも、三人は壱馬の逃げ道やったんやと思う。
よく三人でつるんでたのを俺らは知ってるし、
たまにやけど、泊まりに行ったりしてたんやったら、
壱馬は、三人には心を開いてるんちゃうんかな」



敬浩「本性を出すだけが、心を開いてるわけじゃないよ。
ただ、俺らから見ても、三人で過ごしてる時の壱馬は、
どこかホッとしてたと思うから」










その時、先輩が途中途中浮かべてた表情を思い出した。




三人で固まってる時、どこか落ち着いてて。


気の抜けた表情を。


どこか柔らかかった雰囲気を思い出した。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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