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樹が学校に来るようになって三日。
先輩が入院してから二週間が過ぎようとしてた。
退院の目処が立たないって田崎先生は言ってて、
冗談抜きで部活がヤバいって言ってた。
家でご飯を食べてる時、北人くんが教えてくれた。
北人「壱馬ってダンス部でも幽霊部員として籍はあるのさ」
『え、そうなんですか？』
北人「クランプっていうジャンルがあって。
そのジャンルの人をクランパーって言うんだけど、
結構レベル自体は高いらしいのさ」
『へぇ……』
北人「海青と一緒らしいんだけど」
『北人くん、どんだけダンス部に入り浸ってるから
ダンス部の人達分かるんですか……』
北人「翔吾とつるんでるとどうしてもねぇ」
北人くんがダンス部について詳しいのは今更なわけで。
でも、話を聞いてると、
先輩も意外とダンス部に馴染んでるらしい。
北人「俺らの一個上の山彰さん覚えてる？」
『山本彰吾？』
北人「そうそう。
と後、二年の翔平と今一年のまこっちゃんとも仲良くて」
『先輩って人見知りじゃなかったっけ……』
北人「そのツッコミなしで」
『ウィッス』
北人「今でも仲良くてたま〜に遊んでるんだって」
『へぇ……』
北人「今度お見舞い行こうかなって話してるんだけどさ、
A一緒に行く？」
『いや馬鹿なの。
これで関係無い私入ってたらただのKYじゃん』
ダンス部の中に混ざる茶道部。
まぁバスケ部の北人くんも居るけど
そこはほら、男繋がりで多少繋がるけれど
私なんて完全にアウェーじゃん。
無理。
北人「え、本当に行かないの？」
『行かないよ』
北人「A、一度もお見舞い来たことなくない？」
『っ』
焦げ茶色の鋭い瞳が、ただ真っ直ぐ私を見つめてて。
きっと、北人くんは私がどうして行かないのかを知ってる。
知ってて、踏み出すきっかけを作ってくれてる。
だけど、臆病な私は。
『今の私は、まだ行けない。
先輩に合わせる顔が無いから』
北人「……そっか」
『ごめん』
先輩から、逃げた。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年11月26日 6時
