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お昼ご飯、樹と裏庭で食べてる時だった。
北人「あれ、樹居んじゃん！
いつきー！！！」
樹「げっ」
翔吾「あっ北ちゃん！」
北人くんは、
岩谷先輩繋がりで知り合った樹のことが凄く大好きで
こうしてたまに学校来るといつも飛びついてる。
多分地元が同じ九州同士気が楽なのかもなって思ったり。
樹は嫌がっては居るけど
なんやかんや北人くんの事が嫌いじゃないから
こうして飛びつかれては抱きとめてる。
翔吾「でも樹、良かったよ学校来れて」
樹「うっす」
翔吾「部活には来れそう？
翔平と海青が喜ぶよ、慎も」
樹「……」
翔吾「大丈夫大丈夫、連中はダンスバトルで黙らせたから。
安心して部活に来ていいよ」
樹「流石ですね」
北人「翔吾はねぇ、可愛い顔して性格悪いから！」
樹「北人さんが言っちゃダメなやつ」
北人「おい」
仲良いなって思いながら見てると
岩谷先輩が隣に来た。
購買の弁当を持って。
翔吾「良かったら一緒に良い？」
『樹が良いなら』
樹「Aは？」
『え』
樹「Aが嫌なら二人に行ってもらうけど？」
『あ、いや、別に……本当に大丈夫。
慣れてるし』
私がそう言うと、
北人くんが少しだけ寂しそうに笑って。
私がそう言うと、
岩谷先輩が少しだけ悲しそうに笑って。
私がそう言うと、樹がため息を吐いた。
北人「前にね、壱馬に引っ張られて
一緒に鉄板焼き食べに行ったのさ」
樹「はい」
北人「その時ね、壱馬に無理やり引っ張られて
物凄く機嫌が悪いのに、無理やりもんじゃ食べさせられてさ、
あつっ！って余計に切れて、壱馬のこと凄い睨んでたの」
樹「へぇ、Aが」
北人「壱馬凄いよね。
普段そこまで物を言えないAに、
そこまで言わせたんだよ」
翔吾「壱馬らしいわな」
『なんでそんな話になってるんですか』
北人「んー？
なんやかんやAの本音は
壱馬がしか引き出せなかったんだなって実感しただけ」
北人「きっと、自分みたいになって欲しくなかったから」
北人「自分の気持ちを隠すことに、
自分の気持ちを押し殺すことに、
自分の気持ちに蓋をすることに、
慣れて欲しくなかったから」
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年11月26日 6時
