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K.K side





部活を終えた頃、
俺は鍵を閉めて校舎に入った。










敬浩「あ、壱馬」



壱馬「お疲れ様です。
鍵、返しに来ました」



敬浩「最後までいつもご苦労だな」



壱馬「主将なんで」



敬浩「偉い偉い。
どっかの誰かさんとは別だな」



「そこでなんで俺見るんですか〜!」



敬浩「お前この前鍵閉めも窓閉めも全部忘れて
怒られたの防災委員の俺だったんだからな!

一生根に持ってやる岩ちゃん」










岩ちゃんこと、岩田剛典。



数学の担当で、今は一年の担任も持ってる。

ただこの人は少し、いやだいぶ頭がおかしい人。




それから、






あの人の後輩でもある。










翔吾「かーずーま!
顔怖いで?」



壱馬「翔吾…」



翔吾「報告がてら一緒に北ちゃん家向かおう?」



壱馬「あぁ」



敬浩「帰り気をつけろよ〜」



剛典「またね〜」



翔吾「お疲れ様でした!お先失礼します」



壱馬「んじゃ失礼します」










いつから翔吾がいたのかは分からない。



気配に敏感な方の俺が気づかないから
考え込んでる時だったんだろうなって思う。





校舎の外に出ると、日は完全に沈んでて。










翔吾「だいぶ暗いなぁ。
まぁもう八時やししゃーないか」



壱馬「昨日、大丈夫だったのか?」



翔吾「二人と分かれた後、壱馬の家に寄ったよ。
相変わらず、男の人が入り浸ってる感じやった」



壱馬「……あの人は、大丈夫だった?」



翔吾「おん、お袋さんは手出されてんかった。
あの人も、壱馬じゃなければ大丈夫やし」



壱馬「あの人はどうでもええわ。
なんなら死んでくれとさえ思ってる」



翔吾「まだ、臣先生のこと、許せんか?」










俺は足を止めた。




今日はやたらとその名前を聞く日だ。









壱馬「………はよ家帰ろう」



翔吾「壱馬、今日は泊まるとこあるん?」



壱馬「北人が泊まってもええよって言ってくれてる。
今日まではお邪魔するわ」



翔吾「明日は?」



壱馬「流石に帰るよ。
ずっと誰かの家にお邪魔する訳にもいかんし」



翔吾「家でも良いからな。
また手出されそうになったら、いつでも来てええからな」



壱馬「おん。
ありがとな、翔吾」



翔吾「親友のためやん。気にせんで」










ここでいつもの分かれ道。




俺はここからあの子の前までに自分を変える。




自分を演じるのは、辛い。










壱馬「あの子は、こんなんに慣れんでもええのに」

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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