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K.K side








主将だから休めない部活。



道場に部員たちの声が響く。






俺はそれを見て部の全体を見てると
横に顧問である人がやって来た。










?「どんな感じ?」



壱馬「田崎先生、まぁ今日はいいんじゃないですか」










田崎敬浩。



普段は歴史の担当で、今はクラスを持ってないけど
顧問としては全然頼もしいと思う。






なんなら、空手の資格を持ってるし。










敬浩「師範代は?」



壱馬「ぎっくり腰らしいです」



敬浩「え、またぁ!?
あの人三ヶ月前もだったよね!」



壱馬「まぁ歳も歳だし……」



敬浩「あんだけ人見知りしてた壱馬が
そんな軽口叩けるようになるとは…成長だなぁ……。

臣のおかげ?」










その言葉に俺は咄嗟に先生に手が出てしまった。


けど、先生は簡単に防がれてて。






気配で部員たちの動きが止まったのは分かる。










敬浩「ご挨拶だな。壱馬。

そんなにあいつのこと嫌いになった?」



壱馬「………部活中です。あの人の話はよしましょう。

すまん、続けてくれ」



「えー!
見られるかと思ったのに!」



「最強対決!!」



壱馬「んなもんやらんに決まってんだろ。
戯言言ってないで早く始めろって」



「ひぃ〜!主将が怒った〜」










部員たちは笑いながらも続きを再開した。




唯一黒帯を所有してる俺はその光景を見つめながら
先生の口から出てきた人を思い出す。












登坂広臣。










俺を地獄から救ってくれて、










俺の家族を壊した、張本人。









その事を先生は知ってる。
知ってて、俺にその人の名前を聞かせた。










敬浩「あいつのことも、お前のこともよく知ってる俺が言うけど
もう一度、しっかり話し合えば和解できるんじゃない?」



壱馬「そんなの、頭では分かってるんスよ」










あの人は、俺の家族を壊したその日に、



姿を消した。










壱馬「けど、心は、受け付けない」










壊されたその日に、






俺は親の呪縛から離れられたのも事実。







けど、










俺が"独り"になったのも事実。









黙り込んだ俺に対して
先生はあの時と同じ言葉を言い聞かせた。










敬浩「ゆっくり過ごせ。焦んなくていいから。
その時が来たら、ハワイでも行くか」










あなたは、あの日と変わらない笑顔でそう言ってくれた。

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年11月26日 6時

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