【暗殺教室】面白い生徒 (ページ31)

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31話ページ31

後日、Aはカルマ経由である話を聞いた。

渚が鷹岡を倒したという話を。

ぼーっとしていたAは現実に戻ってきた。

「凄いよねぇ、普段は何も無いように過ごしてるクセにさぁ、ふとした時に向けられるんだよ、その刃が」

Aは自席から少し離れている渚を見る。

彼は茅野たちといつものように笑い合っていて。

「二年の時にさ、渚くんのそういうところにいつか殺られるかもしれない、って本能で避けたんだよね」

(警戒心強いしな)

「そしたら案の定、じゃんね。
すごいとは思うけど、怖くないのが怖いよ、本当に」

カルマはそう言った。

その時の表情を見ていないので、Aにはどんな気持ちで呟いたのか分からない。

「でさぁ、烏間先生にナイフこそ当ててないけど、一撃お見舞した若月さん。
若月さんならあいつ倒せた？」

(そこで私に振るんかい)

Aはノートを取り出すと、急いで書いていく。

書き終わった文を見せた。

(相手の実力を知らないから分からないけれど、あれだけ的の範囲が広ければ行けなくはないけど過信はしない)

「ふーん……行けるんだ」

(あんたもでしょ)

「えー、俺は勝てないと思うよ？」

正気かこいつ。

そう思ったAは悪くない。

そんな時だった。

「あ、二人とも！」

渚がやってきた。

何事かと思うと渚はカルマに告げる。

「あの、これからプールだから準備してって」

「はいはーい」

カルマは立ち上がるとAに手を差し出した。

「ほら行くよ」

ほらと、指を動かすカルマの手を取ったAは立ち上がる。

ここに来てなるほどと理解したA。

その光景を見て渚はつっこむ。

「ふたりって付き合ってたっけ？」

「ははっ、まさか」

あらぬ疑いにカルマは笑いAは黙った。(喋らないのはいつものこと)