【暗殺教室】面白い生徒 (ページ13)

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13話ページ13

生徒たちは予定していた通り、目的地を回っていた。

「渚、暗殺の場所、ここなら行けそうだな」

「スナイパーの人から見えるかな？」

「変な修学旅行になったね」

「そうだね、でも楽しいよ」

「うぁーん！せっかく京都に来たんだから、抹茶わらび餅食べたぁい！」

「ふふ……」

「ではそれに毒を入れるのはどうでしょう？」

「なんでぇ！？」

「殺せんせー、甘いものに目が無いですから！」

「いいねー！名物で毒殺」

「勿体無いよ！抹茶わらびが！」

「殺せんせーに効く毒があればいいんだろうけど……」

川に架かっている橋の上で話す内容じゃないだろう。

あくまでも極秘事項じゃなかったか、あの国家機密の存在は。

と、川を見ながらぼーっとしているAは思った。

だが口には出さず彼らの話に耳を傾ける。

「でもさぁ、修学旅行の時くらい暗殺のこと忘れたかったよな。
良い景色じゃん。暗殺なんて縁の無い場所でさ」

「そうでも無いよ」

少し歩いた商店街。

渚が杉野の言葉に連れてきた場所が、ここ。

坂本龍馬と中岡慎太郎が遭難した場所で、その石碑がある場所だった。

「坂本龍馬って、あの？」

「おぉ〜、1867年龍馬暗殺。近江屋の跡地ね」

「さらに歩いてすぐの距離に本能寺もあるよ！
当時と場所は少しズレてるけど」

「そっかぁ！織田信長も暗殺の一種か〜」

「若月さんは何か無い？暗殺と言えばってのが」

ふと神崎に聞かれAはいつものように伝える。

【油小路事件】

「油小路事件……？」

「あぁ、伊東甲子太郎と他三人のだ。
脱局を許されない新撰組から分離して、新撰組隊士に襲われて本光寺の前で絶命したっていう。
ちょうど、この近江屋事件から三日後だったやつ」

「二人ともよく知ってんな……」

すぐに出てきたAと、すぐ解説するカルマに感心したのは杉野だけじゃなかった。

「このわずか1キロくらいの範囲の中でも物凄いビッグネームが暗殺されてる。
ずっと日本の中心だったこの街は、暗殺の聖地でもあるんだ」

「なるほどなぁ〜。こりゃ立派な暗殺旅行だ」

(そして、暗殺のターゲットになって来たのは、その世界に重大な影響を与える人物ばかり。
地球を壊す殺せんせーは典型的なターゲットだ)

「次は八坂神社ですね」

「えぇ」

「えー、もういいから休もう。
京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」

「飲もう飲もう！」

暗殺修学旅行はまだ始まったばかりだ。