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翌日、母親が手配してくれたおかげで幼稚園は困らなかった。
ただ、一つだけ分かったことがある。
壱馬が行き渋りするタイプだということに。
北人「かずま〜、こわくないよ」
壱馬「……」
初登園日でも、制服姿のAにしがみついて離れない。
A自身は遅刻やら何やらは諦めてるので別に良いのだが。
先生「ほら、壱馬くん上がろ？
ここでおくつぬご？」
首を振ってAの背中に隠れる。
Aはしがみつく壱馬を撫でる。
『壱馬〜、北人先に上がっちゃうよ？
一緒に上がった方が良くない？』
壱馬は頑なに首を横に振った。
Aはしゃがむと、壱馬の口を耳元に当てる。
『今日はおうち帰ろっか。
今は苦しくなっちゃうもんね……』
壱馬「ん……」
壱馬が頷くと、Aは北人の手を取って先生を見た。
『先生』
先生「はい？」
『初日ですけど、今日はこの子達を連れて帰ります』
先生「え、でも……」
『きっとこの調子じゃ離れないですし。
事情は、母が連絡してると思うので、今日はお休みさせてください』
先生「……分かりました。
お気をつけて帰ってくださいね」
『はい』
Aは壱馬と北人に声をかける。
『壱馬、北人、今日はお家帰ろ？』
北人「え……」
壱馬「……」
『今日、お姉ちゃんとお家でお喋りしよっか』
『そうだよね、ごめんね。気づくの遅くて』
北人「おねえちゃん？」
壱馬「……」
『今日はお家でお喋りして、お昼ご飯食べて、お昼寝して、おやつ食べてよ』
『そしたら、お兄ちゃんも帰ってくる』
壱馬が顔を上げた。
これだけ嫌がっていたのだが、壱馬は泣いていなかった。
Aはそれが辛かった。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
